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森元斎 著/共和国/四六変型判 上製/272ページ
九州はなぜ「こう」なのか。彼女ら彼らはどのように抵抗し、反撥してきたのか。鹿児島の西南戦争を起点に、水俣裁判、サークル村、筑豊炭鉱、米騒動、はては神話世界へと国道3号線を北上しながら、国家に抗う民衆の諸相を描く地誌的思想史。宮崎八郎、宮崎滔天、石牟礼道子、緒方正人、谷川雁、火野葦平らの群像から、《思想/運動としての九州》が浮上する。
装画:田中千智
目次
はじめに
第1章 新政府か反動か、あるいは……西南戦争・山鹿コミューン・アジアの革命
西南戦争/宮崎八郎の二段階革命と山鹿コミューン
寄り道[1]中国の革命へ
第2章 水俣病と悶え
水俣病とは何か/悶え加勢すること/手ざわりの言葉
寄り道[2]緒方正人『私はチッソであった』――言葉が生まれるとき
第3章 炭鉱と村
サークル村/原点は存在する/「原点」/村を捨て、村に出会う/二つの「村」
寄り道[3]谷川雁における集団と組織
寄り道[4]伝習館裁判
第4章 米騒動
朝鮮よ、九州の共犯者よ/沖仲仕たちと米騒動/戦中から戦後へ
寄り道[5]北九州の古層
おわりに 思考の行方――この世に根付くこと
註
あとがき
森 元斎 (モリ モトナオ)
1983年、東京都に生まれる。長崎大学教員。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。博士(人間科学)。専攻は、哲学、思想史。
著書に、『アナキズム入門』(ちくま新書、2017)、『具体性の哲学』(以文社、2015)、共訳書に、G・ハーマン『思弁的実在論入門』(人文書院、2020)、H・フラスベック+C・ラパヴィツァス『ギリシャ デフォルト宣言』(河出書房新社、2015)がある。