断片 1926-1932

3528

断片 1926-1932  (3528)

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萩原恭次郎/共和国 /四六変型判/264ページ

 

関東大震災直後に詩集『死刑宣告』(1925)で世界を驚倒させたアナキスト詩人、萩原恭次郎(1899-1938)。その第2詩集にして生前最後の詩集『断片』(1931)にくわえ、これまで『全集』でしか読めなかった同時期の詩篇や論考・エッセイ、さらに『全集』未収録作品をふくむ41篇を初めて単行本化。
分裂するアナキズム運動の混迷期を経て、やがてファシズムへと傾斜するまでの臨界点すれすれの表現が、いまこの腐臭ただよう日本の現実に投げ込まれる!

同志の村木源次郎、古田大次郎を追悼する詩篇などのほか、本書を絶賛する萩原朔太郎の書評も収録。参考資料、年譜、解説などを附す。

 

目次

第1部:断 片

序詩
第一部
第二部
第三部
第四部
断片に対するメモ

第2部:自己への断片 詩文集

TOBACCOの袋に書いて山本勘助に送る詩
赤と黒
肺臓に刷られたるビラ三枚
君にも君にも君にも/君にも君にも君にも

多数者と我等!
昨日の部屋の入口に立つて戸を閉めろ!
断片
一分間の空想
黒旗は進む
断片として
断片
我等は自由自治の道一つである
詩に関する断片
漫談
兵卒
詩に関する断片
詩に関する断片
雑信
断片
詩雑感
詩に関する断片





無題的断片
芸術断片
断片
断片
同志黄一甫
南葛を唄ふ
妻に来た手紙
市ケ谷風景
生産本位の芸術より消費本位の芸術生産へ
春浅き日の死
自己への断片
桑株にしばりつけろ
もうろくづきん[初出版]
帰郷日記

附録

日比谷 [初出版]
日比谷 [『死刑宣告』版]

萩原恭次郎 略年譜

詩集 断片を評す 萩原朔太郎

解説にかえて

 

無言が胸の中を唸つてゐる
行為で語れないならばその胸が張り裂けても黙つてゐろ
腐つた勝利に鼻はまがる
――「序詩」より

「僕は詩集『断片』の価値を裏書きしておく。今の若い詩壇と詩人が、もしこの詩集の価値を認めず、理解することが出来なかったら、この上もはや、僕は何物をも彼等に求めず、一切を絶望して引退するのみである。」
――萩原朔太郎

 

萩原 恭次郎 (ハギワラ キョウジロウ)
1899年、現在の前橋市日輪寺町に生まれ、1938年、同石倉町に没する。詩人、アナキスト。
1923年、壺井繁治、岡本潤、川崎長太郎と雑誌『赤と黒』を創刊、文壇に衝撃を与える。アナキズム文学運動の中心的存在として活躍し、『文藝解放』『黒旗は進む』『学校』などに寄稿。1932年、個人誌『クロポトキンを中心とした芸術の研究』創刊。以後、次第に農本主義に傾いた。
生前の詩集に、『死刑宣告』(長隆舎書店、1925)、『断片』(本書所収。溪文社、1931)、翻訳に『アメリカプロレタリヤ詩集』(共訳、弾道社、1931)がある。
没後、『萩原恭次郎詩集』(報国社、1940)、『萩原恭次郎全詩集』(思潮社、1968)、『萩原恭次郎全集』(全三巻、静地社、1980-82)などが刊行された。

 

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