しかし語らねばならない

4405

しかし語らねばならない  (4405)

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郡山吉江著/共和国/四六変型判/328ページ

 

《反権力》を闘うあらゆる人びとへ――。
戦前はプロレタリア文学運動にかかわり、敗戦直後から最晩年までは日雇い労働者として、生涯を賭けて権力と闘いつづけた不屈の人。そんな著者による文章を集めました。『思想の科学』『女・エロス』『婦人民主新聞』などのメディアに掲載された原稿を掘り起こし、その起伏のある生涯についても「解説」で補足。女性解放運動、三里塚闘争、反天皇制から死刑制度廃止運動にいたる、戦後の社会運動を底辺から支えた「女の一生」を、没後40年の現在に問いかけます。
田中美津による追悼文「きまりすぎた悲しさ――郡山吉江さんを悼む」を収録。

 

目次

母(詩)

I  にこよん女の手記

太平のおくりもの
だらけてない失対人夫
妻として母として労働者として
自立した女の姿―土埃にまみれ失対二十八年 [インタビュー]
私のエロス――にこよん女の手記
わかめのおばさん――にこよん現場の女
著者の分身として――雫石とみ『荒野に叫ぶ声』跋

II  今日的状況をこそ

3・8集会に出席して
それは私の中の恥部、しかし語らねばならない
反天皇制運動への視点
今日的状況をこそ
なかなか見えない天皇制

III  救援の現場から

新宿事件公判を傍聴して
府中刑務所へ待遇改善の申し入れ
無策な老人福祉
福祉行政の変革を
三里塚野戦病院の発展ねがい
三里塚との連帯の道
野戦病院を阿修羅のように守って [インタビュー]
傍聴席から
「モナ・リザ」スプレー裁判傍聴記
「海燕のうた」から
「蜂の巣」から
全救活へのメッセージ

IV  詩のほうへ

中国を訪れて
沖縄を旅して
無名詩人とは何か
抒情と変革のプロレタリア詩
幸せな旅のにおい
『郡山弘史・詩と詩論』あとがき

V  冬の雑草――自伝的エッセイ

冬の雑草 [『救援』版]
私の未来図
生命終りのときに――遺書にかえて

きまりすぎた悲しさ 郡山吉江さんを悼む(田中美津)

解説にかえて

 

郡山 吉江 (コオリヤマ ヨシエ)
1907年、仙台市に生まれ、83年、清瀬市に没する。
童話雑誌の同人、『プロレタリア詩』への寄稿などを経て、詩人の郡山弘史を識る。1931年、実家を出て上京。1945年の敗戦後、仙台で日本共産党に入党(50年に除名)、婦人民主クラブの初代仙台支部長となる。1968年、国際反戦デーの新宿騒乱を機に救援運動にかかわる。以後、救援連絡センター、侵略=差別と闘うアジア婦人会議、婦人民主クラブなどの会員として精力的に社会運動に従事する。
著書に、『三里塚野戦病院日記』(柘植書房、1979)、『冬の雑草』(現代書館、1980)、『ニコヨン歳時記』(柘植書房、1983)がある。

 

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