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こだまたけひろ/ヒビノクラシ出版/A5/18ページ
第1号「ヒビノクラシの自立生活支援 制度で支え 制度の外で遊ぶ」
2022年12月8日に開催された、「知的障害のある人の自立生活について考える会」主催、第8回 ONLINEサロン「ヒビノクラシの自立生活支援 制度で支え 制度の外で遊ぶ」で、ヒビノクラシ舎こだまたけひろが話した内容を大きく加筆修正し収録したもの。
挿画・デザイン RYOCK
あとがき「見飽きた自分におさらばするのさ」より
正直に言えば、「当事者主体の支援」のオルタナティブを主張する自分自身に、危うさを感じてもいるのです。もちろん、自分に対し、できうる限りの批判的想像力を向けて、繰り返し考えました。ただの思いつきでこの文章を書いたわけではありません。けれどもやはり、これはマジョリティである私のバックラッシュなのかもしれないという疑念を、完全には払拭できないでいます。それでも尚、勇気を持って、これを発表したのは、とりわけ困難な支援現場に漂いがちな閉塞感の原因と、その打開に向けて、より多くの人と共に考えたかったからに他なりません。その意味で、本誌は「問題提起」でもあるわけです。恐らく、「今が最高」と思っている障害当事者もヘルパーも、多くはないはずです。当事者主体と言いながらも、実態としては事業所や家族が主体となり、いつの間にやら当事者が周縁に置かれてしまっているような支援現場。ヘルパーがあたかも苦行にでも勤しんでいるかのような、それにより身も心も病んでしまうような支援現場。皆さん同様、私もそんな支援の現場を幾つも見てきました。どうにかならないものか? この問題の難しさは、そのどれもこれもが、あからさまな悪意からもたらされたものではないということだと考えています。悪意どころか、障害当事者も家族も事業所もヘルパーも、皆それぞれの立場から真剣に向き合った結果、そうなってしまっているように思うのです。だとしたら、それって一体どういうことなのでしょうか? これまで何年も繰り返してきた苦い経験を、この先あと何年繰り返さなければならないのでしょうか? 問題は、「支援の在り方」以前の、より本質的なところにある気がしています。それは、「主体」「人間関係」「社会」等をめぐる、現在の支配的なパラダイムです。そこに目を向けることなく、古いパラダイㇺに従って、一生懸命支援をしても、同じことの繰り返しになるのではないでしょうか? 最後に、もう一度、エピグラフに用いたデヴィッド・グレーバーの言葉を。
だから、今使っているのとはちがった原理で作動する民主主義的な仕組みをつくろうと考えたわけです。
皆さまの忌憚のないご意見・ご感想をお聞かせいただければ幸いです。ご批判や新たな問題提起をいただけると嬉しいです。近くにお住まいの方は、是非一度、富士見台カフェにお越しください。カオスフーズのマサラカレーを食べながら、たくさんお話ししましょう!