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後藤 周(著) 加藤 直樹(編集)/ころから/A5変型判/256ページ
1923年、関東大震災直後の横浜は朝鮮人暴動などの流言が発生し、虐殺が行われた発火点だったーー。
市街のほとんどを焼失した市民は、「平楽の丘」と呼ばれる南部丘陵地へと逃れた。そこでは、震災当夜から「朝鮮人が暴動を起こしている」などといった流言が広がり、そして名も知らぬ朝鮮人や中国人を虐殺する事件の引きがねとなった。
30年以上にわたってこの史実を検証してきた著者が、150号を超える私家版「研究ノート」や数多くのフィールドワークをもとにまとめた。
デマがどうして横浜で発生したのか、なぜ虐殺を防げなかったのか、膨大な資料とともに当時を生きた人たちの顔が見える筆致で描く。100年前の虐殺事件の「なぜ?」を知るためのマスターピースとなる一冊。
目次
はじめに
第1章 横浜は「虐殺の地」だった
コラム 保土ケ谷の朝鮮人労働者を守った親方たち
第2章 虐殺は「平楽の丘」から始まった
コラム 横浜震災救護団の女性リーダー
第3章 大川常吉署長ーー「美談」から事実へ
コラム 朝鮮人を守った親方たちのその後
第4章 横浜の中国人虐殺
コラム 戒厳軍の日誌に記された虐殺
第5章 「9月2日」を追悼する人
コラム ふたつの調査報告と「青木橋の虐殺」
後藤 周 (ゴトウ アマネ) (著)
1948年生まれ。1972年から約40年にわたって横浜市の公立中学校の教員を務め、その傍らで横浜ハギハッキョの設立から中心スタッフとして活動。退職後も横浜での朝鮮人・中国人の虐殺事件を検証。その報告書でもある「研究ノート」は150号を超える。本書は初めての著書。
加藤 直樹 (カトウ ナオキ) (編集)
1967年東京生まれ。おもな著書に『九月、東京の路上で』『TRICK 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち』(ともにころから)、『謀叛の児』(河出書房新社)など。