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花束書房/A5判 並製/336ページ
変わりながらあゆむために。
日本の女性で初めて法律の世界に飛び込み、世界を舞台にジャーナリストとして短い生涯を駆けた北村兼子。同じく、世界の潮流をとらえながら社会を分析し、平等をもとめ続けた山川菊栄。現代のフェミニストたちが、ふたりをめぐるエッセイや論考を綴り、語り合う。
セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、家族制度、植民地支配、運動、立法、資本主義、戦争――誰よりも鋭く、広く、世界を見たふたりの言葉がこの先を照らす。
目次
●はじめに●
生きづらさを突き破って、未来へ
●北村兼子●
1章 法律でフェミニズムに目覚める
法律を学ぶ私/卒業して、それから/私は笑う/婦人記者の観た女性犯罪/悪法に呪いあれ(抄録)/婦人問題を鷲掴みにして/婦人運動の体系――参政権が本殿の神体 禁酒、廃娼は末社/貞操の所有権と処女の賭博/夫婦の貞操義務
2章 性加害と闘う
特撮映画 卑怯なる者よ汝の名は男なり/堕落婦人記者/「怪貞操」をつくりあげて/「怪貞操」をレコードに吹き込んだ感想/失業随筆(抄録)/怪貞操/女浪人/女浪人主義/女浪人と雲水
3章 フェミニズムの言葉を磨く
女は歩調を揃えて馬鹿であれ――女子学生連盟演説会で感じた事とて/関所争奪リレー 選手としての体験――霊域高野山から名刹壷坂寺へ(抄録)/男子征服の大旗を樹てよ――家庭に於ける嬶天下の拡張を図れ(抄録)/普通線の女性へ/女浪人の男性抗議/読売新聞紙上論争
4章 〈大大阪〉の資本主義と労働運動を描く
青狐赤狐雑狐/大阪及大阪人/大阪あれこれ(抄録)/婦人の力による小作争議の解決
【エッセイ】〈大阪フェミニスト群像①〉大阪の若い女性たちを騒がせた日本画家・島成園―macca
5章 セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツを語る
公娼をどうする/私娼をどうする/優生学、ちょっと待って/産児調節/堕胎/人口問題/女性の睡眠権
【論考】人口政策や優生学と離れたところに立っていた――堕胎の罪を無くすのはいつまで「時期尚早」か?―大橋由香子
6章 政治を語り、運動を進める
国際婦人運動の大勢(抄録)/今日の不平人(抄録)/婦人運動の動き/一流の漫文
7章 国境を越えて平和を叫ぶ
演説草案三つ/平和の使者/台湾民族運動史/爆弾事件と法の適用
8章 大空を飛ぶ
飛行機上から見た大阪
【エッセイ】〈大阪フェミニスト群像②〉メディアの暴力と闘った人見絹枝と北村兼子
●山川菊栄●
【論考】〈いま、菊栄に続きたい①〉山川菊栄の思想を明日へつなぐ―山田(樋浦)敬子
【座談会】「山川菊栄文庫」から見える思想と横顔―山田(樋浦)敬子×佐藤礼次×山口順子
【論考】〈いま、菊栄に続きたい②〉恋愛の自由を売らずに生きていくために――廃娼論者としての山川菊栄が主張していたこと―林葉子
【論考】〈いま、菊栄に続きたい③〉山川菊栄の生理休暇論―豊田真穂
【論考】 現代の課題にそのまま使える山川菊栄のリプロ論――堕胎を禁じるより、必要なる者には安全な方法を―大橋由香子
【論考】〈国際的視点①〉カーペンター『中性論』の翻訳と『番紅花』同人との交流―趙書心
【エッセイ】〈国際的視点②〉コロンタイと対話する山川菊栄―高柳聡子
【論考】〈国際的視点③〉山川菊栄と黄信徳にみる植民地主義認識―宋連玉
【対談】バラバラに、でも全体で考える未来へ――『らんたん』・議論・フェミニズム―柚木麻子(小説家)×松尾亜紀子(エトセトラブックス代表)
【書評エッセイ】 Unforgettable――忘却を阻むために―栗田隆子
年譜
参考文献
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