そこに私が行ってもいいですか?

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そこに私が行ってもいいですか?  (4307)

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イ・グミ著 神谷丹路訳/里山社/四六判 並製/528ページ

 

女とは、階級とは、国とは、人種とは──。
海を越え、運命を切り拓く少女たちの物語。

構想10年。国際アンデルセン賞韓国候補作家が、日本軍慰安婦、対日協力者、アメリカ日系人収容所など、複雑な日韓の近現代史を、女の視点から描く傑作エンタテインメント。「人間は複雑で多面的な存在で、完全な善人も悪人もいない。誰もが自らの欲望や利益を前に、揺れながら生きている。人間を日帝強占期という歴史の枠組みに閉じ込めて、二分法的に描きたくなかった」──イ・グミ(本書より)
2018年度国際児童図書評議会オナーリスト選定図書。

「貧しく低い身分で、女として生まれたのは、自ら選んだことではない。植民地の民となったのも、国に力がなかったからだ。なのに、苦しみは個人や民が負わなければならない。」植民地期の朝鮮半島。貧しい生まれながら、韓国、日本、中国、ロシア、アメリカと、世界を渡り歩くごとに視野を広げ、勇気を蓄えていく少女、スナム。片や対日協力者の子爵の娘として生まれ、同じように世界を渡り歩くことで現実の厳しさを知っていく少女、チェリョン。蔦のように絡み合う2人の少女の人生を通して、日韓近現代史の複雑さ、そして歴史や国から自由になれない個人の、そして女性の人生を克明に描き出す。

 

著者 イ・グミ
1962年韓国・ソウル生まれ。1984年「新しい友文学賞」に短編童話が入選し、作家活動を始める。30年以上にわたり、濃密な人間愛に満ちた作品を発表し続ける。小泉児童文学賞、尹石重文学賞、方定煥文学賞を受賞。子どもから大人まで幅広い年齢層の読者をもつ。代表作に、『あなたもひめゆりの花』『ユジンとユジン』『私と少し違うだけ』『アロハ、私の母たち』など。2020年、ハンス・クリスチャン・アンデルセン賞の韓国候補作家に指名された。

訳者 神谷丹路(かみや・にじ)
東京都生まれ。韓国語翻訳、日韓関係史研究。1980年代に、韓国延世大学へ留学。訳書に、尹興吉『鎌』(共訳・角川書店)、趙廷来『太白山脈』 共訳(集英社)、パク・ゴヌン著『ウジョとソナ 独立運動家夫婦の子育て日記』(里山社)、編訳書に『だまされたトッケビ』(福音館書店)他。産経児童出版文化賞翻訳作品賞受賞 。著書に『韓国  近い昔の旅 植民地時代をたどる』(凱風社)、『韓国歴史漫歩』(明石書店)他。早稲田大学、法政大学非常勤講師。

 

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