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森山安英/grambooks/257 x 188 mm/320ページ
百花繚乱の様相を呈した1960年代後半の前衛美術界に現れ、自壊した北九州のグループ〈集団蜘蛛〉。近代市民社会の成立基盤に対する問いをも内包するその過激なパフォーマンスは、60年代の「反芸術」を相対化する。中心人物の森山安英(1936年〜)は1970年、福岡・柳川で起った伝習館闘争のデモの最中に散り、約3年にわたる「非芸術裁判」を展開したのち、表舞台から姿を消す。そして1988年、15年間の沈黙を破って「絵画」を発表、「絵描き」としての表現を模索し始める。
本書には、森山のすべての絵画シリーズに加え、〈集団蜘蛛〉に関する資料など、約300点の図版を収録。生い立ちから最新絵画まで語った13万字を超えるインタビュー、第1回公判から判決までの全裁判記録など、森山安英の活動の全貌が掲載されている。
北九州市立美術館で行なわれた同タイトルの展覧会「森山安英 解体と再生」(2018年5月19日~7月1日)の公式カタログ。
目次
1 物質と現象
アルミナ頌
光ノ表面トシテノ銀色
ファインダーレポート
ストロボインプレッション
レンズの相克
非在のオブジェ
レンズの彼岸・シャドウ
2 「普通の絵」を求めて
光ノ遠近法ニヨル連作
水辺にて
幸福の容器
窓
3 絵描きの原点
森山安英インタヴュー[1]
4 グループと「集団」
森山安英インタヴュー[2]
5 標的の否定から自己否定へ
森山安英インタヴュー[3]
6 森山裁判と「表現の犯罪性」
森山安英インタヴュー[4]
森山安英インタヴュー[5]
年譜
文献リスト
図版リスト
森山安英美術講演会「光ノ表面トシテノ銀色」(記録)
森山安英裁判記録