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鄭栄桓著/以文社/四六判/500ページ
国籍か、それとも出身地か──。
1947年5月2日、日本の外国人法制に登場し、今日に至るまで存続している「朝鮮籍」。植民地支配からの解放後も日本で暮らし続けた朝鮮人たちに与えられたこの奇妙な「国籍」の歴史を、日韓の外交文書、法務省や地方自治体の行政文書、裁判記録、そして政党・民族団体の残した文書などの一次史料を精緻に読み解くことで明らかにする。
目次
序 章 朝鮮籍をめぐる問い
第一章 朝鮮籍の誕生──「地域籍」から「出身地」へ
第二章 南北分断の傷痕──韓国籍の登場
第三章 戦時下の「国籍選択の自由」──朝鮮戦争と国籍問題
第四章 国籍に刻まれた戦争ーーいかにして朝鮮籍は継続したか
第五章 同床異夢の「朝鮮国籍」──停戦から帰国事業へ
第六章 日韓条約体制と朝鮮国籍書換運動
補 章 再入国許可制度と在日朝鮮人
終 章 朝鮮籍という錨
あとがき
鄭 栄桓 (チョン ヨンファン) (著/文)
明治学院大学教養教育センター教授(歴史学)。1980年、千葉県に生まれる。明治学院大学法学部卒、一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了(社会学博士)。立命館大学コリア研究センター専任研究員、明治学院大学教養教育センター専任講師、准教授を経て現職。専門は朝鮮近現代史・在日朝鮮人史。著書に『朝鮮独立への隘路 在日朝鮮人の解放五年史』(法政大学出版局、2013年、第13回林鍾國賞受賞〔朝鮮語版〕)、『忘却のための「和解」 『帝国の慰安婦』と日本の責任』(世織書房、2016年)、訳書に権赫泰『平和なき「平和主義」 戦後日本の思想と運動』(法政大学出版局、2016年)等がある。