大正アナキストの夢 渡辺政太郎とその時代

4229

大正アナキストの夢 渡辺政太郎とその時代  (4229)

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多田茂治/皓星社/四六判 並製/224ページ

 

渡辺政太郎(1873-1918)は、堺利彦、幸徳秋水と同世代、後輩格の大杉栄、荒畑寒村らとも苦楽をともにした大正期の社会運動家でアナキスト。本書は、注目を浴びる彼らの活動を陰で献身的に支えた政太郎の生涯と、彼が生きた時代を活写する本格的評伝。理想社会の実現に向けて社会主義運動や労働運動に関わる人々を暖かく支援し、貧苦のなかで「地の塩」のような生涯を送った政太郎夫妻の生き方を通して、現代における社会主義やアナキズムの意味を問い直す名著の新装版。1992年・土筆社刊の初版に、映画監督・瀬々敬久による解説と、人名索引を収載。

 

目次

序章
第一章
一 孤独とともに
二 天間【てんま】の平民床【へいみんどこ】
第二章
一 ヨカヨカ飴屋
二 終生の肩書
三 大逆事件の序曲
第三章
一 赤羽巌穴『農民の福音』
二 西川光二郎離脱
三 縊【くび】り残され……
第四章
一 大正の開幕
二 田中正造、渡辺家逗留
第五章
一 中国革命義勇軍
二 山本飼山の死
第六章
一 辻家の食卓
二 大杉栄と伊藤野枝
第七章
一 『微光』――暗夜の螢
二 渡辺教室
第八章
一 小さな旗上げ
二 ロシア革命
三 労働運動の救世軍
第九章
一 政太郎の最期
二 メーデーの朝

あとがき

未完の夢――解説に代えて  瀬々敬久(映画監督)

渡辺政太郎年譜
参考文献
人名索引

 

多田茂治(ただ・しげはる)
1928年、福岡県小郡市生まれ。九州大学経済学部卒業。在学中『九州文学』『新日本文学会』に参加。新聞記者、週刊誌編集者を経て文筆業。主に日本近現代史にかかわるノンフィクション、伝記を執筆。
著書に『グラバー家の最期ー日英のはざまで』(葦書房)、『内なるシベリア抑留体験ー石原吉郎・鹿野武一・菅季治の戦後史』(社会思想社、のち文元社)、『夢野一族ー杉山家三代の軌跡』(三一書房)、『石原吉郎「昭和」の旅』(作品社)、『満洲・重い鎖ー牛島春子の昭和史』(弦書房)、『夢野久作と杉山一族』(同)など。2004年、『夢野久作読本』(弦書房)で、第57回日本推理作家協会賞(評論の部)を受賞。
2020年5月没。

 

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