オフショア 第四号

4732

オフショア 第四号  (4732)

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山本佳奈子編/オフショア/四六判 並製/198ページ

 

『オフショア』はエッセイを中心としたアンソロジー形式の文芸雑誌です。アジアの音楽やアートの情報を発信するウェブマガジン「Offshore」(2011~)が、紙の文芸雑誌となってリニューアルしました。2022年8月創刊。速い情報発信ではなく、「やすい」や「おいしい」でもないアジア。じっくりアジアを考えます。

 

目次

■中原楽インタビュー「音響エンジニアが見るアジア、次代につなぐ現場環境」
■愛国のヒーロー、占いにハマる。―詩から読む文天祥と占い師の交流(村田真由)
■サウナと写真の中の『テルマ&ルイーズ』たち(仲宗根香織)
■連載・第四回 台湾における市民による地下メディア実践と民主化との関係―1990年代の台湾の地下ラジオ運動を軸として もぐりのアマチュア無線「香腸族」 (和田敬)
■スリランカを巡る記憶の旅(バーヌ)
■WOOTACCインタビュー「満足できる作品をつくったら、やめます」
■帰化、離婚、大統領選挙―インドネシア人として生きる(武部洋子)
■ミュージシャンと住民票―第四号まで発行してみてどうなのか(山本佳奈子)

表紙写真:李剣鴻(リー・ジエンホン)
ロゴ・表紙デザイン:三宅 彩

 

著者プロフィール

山本 佳奈子 (ヤマモト カナコ) (著/文 | 編集)
当誌の発行・編集人。1983年生まれ尼崎市出身、神戸市在住。ライター(インタビュー・ルポ・エッセイ)。インタビューではその人の人柄や普段着の姿を映し出す。2011年、東アジア各都市を訪れ現地のライブハウスやギャラリーをめぐり音楽家やアーティストらと交流を深めたことから、アジアの文化を日本語で発信するメディア「オフショア」を立ち上げた。アジア各地からの音楽バンド来日ツアーやドキュメンタリー映画上映会ツアーもプロデュース。

武部 洋子 (タケベ ヨウコ) (著/文)
日本人として東京に生まれ、インドネシア人としてジャカルタに住む。上智大学文学部新聞学科在学中、たまたまインドネシア語を第二外国語として選択して以来、インドネシアの世界(特にロックを入り口とするポップカルチャー)にのめりこむ。フリーランス通訳、翻訳、調査、コーディネート、執筆業に従事。最近は、インドネシアの勢いと魅力を日本人に直接感じてもらうためのツアープログラムを主に社会課題、アートなどをテーマに企画、実施している。『旅の指さし会話帳②インドネシア』(ゆびさし)著者。寄稿は『現代インドネシアを知る60章』(明石書店)等。Twitter @okoyrocks

仲宗根 香織 (ナカソネ カオリ) (著/文)
1979年沖縄生まれ。写真家、小舟舎主宰。2008年から2010年まで写真雑誌『LP』の編集メンバーとして活動し、紙面上で作品を発表。2011年に雑誌『las barcas』を立ち上げ、これまでにlas barcas 4号までを編集・発行。2023年1月写真集『Temporality』出版。2016年個展“Unframed”、2023年個展“Temporality”(Kiyoko Sakata Gallery, Naha)、2024年3月カリフォルニア大学サンディエゴ校とトロント大学にて”Living Otherwise: Perspectives on Time, Space, and Sense-Making from Okinawa”に展示とトークで参加。

バーヌ (バーヌ) (著/文)
1996年生まれ。大阪在住フェミニスト(they / them)。学生時代に心理学・社会学に強く関心を持つ。あらゆるマイノリティが生きやすい社会になるために何かしたいと感じ、現在は外国に(も)ルーツを持つ子ども・若者の支援に携わっている。また自身の経験をもとに執筆や研究発表等を行う。岸政彦編『大阪の生活史』(筑摩書房、2023)に聞き手として参加。他、下地ローレンス吉孝著『「ハーフ」ってなんだろう? あなたと考えたいイメージと現実』の書評を立命館アジア・日本研究学術年報第4号に執筆。

村田 真由 (ムラタ マユ) (著/文)
1997年生まれ。大阪大学大学院人文学研究科博士後期課程三年、日本学術振興会特別研究員(DC2)。専門分野は中国古典文学。中国の南宋王朝末期における「遺民(=身を寄せるべき王朝を失い、あとに残された民)」の文学に関心があり、特に文天祥の詩を中心に研究を進めている。論文に「「溝壑を填む」ということ―文天祥試論」(『日本中國學會報』第74集、2022年)、「世界の終わり―文天祥「山河破砕」句をめぐって」(『待兼山論叢』第57号、2024年)。現在は兵庫県立の中学校に教員として勤務。生徒の約8割が外国にルーツを持つという学校で、中学一年生の国語(日本語)を担当している。

和田 敬 (ワダ タカシ) (著/文)
1973年生まれ。ローカルメディア研究者。2020年大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学(人間科学博士)。著書に「ミニFMによるパーソナル・ネットワーキング―関西地域の事例をもとに」『情報通信学会誌』九七号、「ローカルメディアの技術変容」飯田豊編『メディア技術史 改訂版』(北樹出版)、「メディア装置と谷川俊太郎」『ユリイカ 総特集92年目の谷川俊太郎』(青土社)。1986~1990年まで大阪・千里で個人発信のミニFMを開局。当時の近隣のミニFMとも盛んに交流を行った。一九九五年、阪神淡路大震災後の西宮で復興支援のミニFM fm laLUZのスタッフとして参加。「小さなメディア」による公共空間の自生的な涵養に関心をもつ。

中原 楽 (ナカハラ ラク) (著/文)
1982年生まれ。洗足学園音楽大学 作曲専攻シンセサイザー科を首席で卒業。スピーカーメーカー、音響会社を経て、2015年有限会社ルフトツークにて音響事業部を設立。FUJI ROCK FESTIVALではPYRAMID GARDENのサウンドデザインを手がけ、音楽、ダンス、パフォーミングアーツ、演劇など多分野にわたり独自の音響空間を構築。

WOOTACC (ウータック) (著/文)
中国吉林省延辺出身のラッパー。北京を長く拠点とし、Groove Bunny Recordsなどからアルバムをリリース。2023年からは韓国に拠点を移している。朝鮮語、中国語普通話、日本語の3言語を用いる。

李 剣鴻 (リー ジエンホン) (表紙写真)
ノイズ/即興音楽家。ソロプロジェクトの他にも迷走神経(VagusNerve)やMind Fiberなどのグループで活動。ギター即興演奏を音楽の主体とする。2008年より環境と演奏の相互関係のなかで創作する手法を切りひらき、「環境即興(environmental improvisation)」と名づけ展開。2011年発表のシリーズ音源にて、概念およびスタイルとしての環境即興を確立させた。近年はソロ作『院子里的回授』、Mind Fiber『明年,再来桜桃樹下坐一坐』等を発表。これらの作品は、日常を記録することの重要性を環境即興によって体現する。2014年より写真も創作に取り入れており、撮影による日常記録は環境即興を補充し構成するための一部となっている。

 

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