ノット・ライク・ディス トランスジェンダーと身体の哲学

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ノット・ライク・ディス トランスジェンダーと身体の哲学  (4693)

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藤高 和輝 著/以文社/四六判 上製/296ページ

 

「真理はあなたのなかに存在する。私たちは自分を曲げなくていい」

身体とは何か。ほかならぬ、誰もが生きているこの「私の身体」とは何か。本書は、トランスジェンダーの身体経験の分析を通し、そのトランスの身体を(シスジェンダーに対して)「特殊な」身体、「特殊な」経験とみなすのでなく、かつ、そのトランスジェンダーに対する既存の病理学的な認識図式を批判し、「トランスにとっての身体とは何か」のみならず、誰もが生きているこの「私の身体」とは何かを問いかける。
病理学的図式、デカルト的図式、構築主義的図式という「心身二元論」から発する「神話」を解体し、そのアポリアを問うとともに、オルタナティヴな理論的枠組みの提示を試みる。

 

目次

序 章 マトリックスの夢、あるいは真理の場所
第一章 感じられた身体―― トランスジェンダーと『知覚の現象学』
第二章 身体を書き直す―― トランスジェンダー理論としての『ジェンダー・トラブル』
第三章 たったひとつの、私のものではない、私の身体
第四章 パスの現象学 ―― トランスジェンダーとサルトルの眼差し
第五章 ポストフェミニズムとしてのトランス?―― 千田有紀「「女」の境界線を引きなおす」を読み解く
第六章 語りを掘り起こす――トランスの物質性とその抹消に抗する語り
第七章 トランス・アイデンティティーズ、あるいは「名のなかにあるもの」について
終 章 「私は自分の身体を愛することができるか」
あとがき

 

藤高 和輝 (フジタカ カズキ) (著/文)
大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。博士(人間科学)。京都産業大学准教授。著書に、『ジュディス・バトラー――生と哲学を賭けた闘い』(以文社)、『〈トラブル〉としてのフェミニズム――「とり乱させない抑圧」に抗して』(青土社)。共著書に、『フェミニスト現象学入門――経験から「普通」を問い直す』(ナカニシヤ出版)、『フェミニスト現象学――経験が響き合う場所へ』(ナカニシヤ出版)、『クィア・スタディーズをひらく3――健康/病、障害、身体』(晃洋書房)など。翻訳書に、ゲイル・サラモン『身体を引き受ける――トランスジェンダーと物質性のレトリック』(以文社)。

 

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