新居格 随筆集 散歩者の言葉

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新居格 随筆集 散歩者の言葉  (4647)

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新居格 著 荻原魚雷 編/虹霓社/B6変判/246ページ

 

戦後初の杉並区長として知られる新居格
随筆家としての名文を荻原魚雷が厳選

戦後初の杉並区長として知られる新居格(にい いたる)。著作リストが作れないほど多くの随筆や評論、批評を遺したものの、代表作と呼ばれるような作品もなく、『杉並区長日記』(弊社刊)と翻訳書(パール・バック『大地』等)を除いて新刊で読める本はない。
アナキストを自称し、議論を嫌い、知識人や文化人と呼ばれることを恥じ、戦時中も市井の人々や日々の生活を大切に生きた新居。そんな新居と同じく、散歩と読書をこよなく愛する高円寺の文筆家・荻原魚雷が、時に弱音や愚痴をこぼす彼の随筆を厳選、今の時代に蘇らせる。42の随筆と1つの詩を収めた名随筆集が誕生。【本文表記:新漢字、旧かなづかい】

「注文に応じて書いてきたような短文は後世に残りにくい…没後もずっと読み継がれるような作家なんて、文学史の中でも一握りしかいない。だけど、一握りからこぼれた作家にも素晴らしい文章を書く人はいる。新居格もそのひとりであろう。」(荻原魚雷・編者解説「高円寺の新居格」より)

 

目次

(詩)
自由人の言葉
爽やかな海景
性格破産者の感想
モダンガールの心臓
大地震の思ひ出
正月
春の淡彩
微涼を求めて
冬日独語
散歩者の言葉
小さな喜び
雑草の如く
断想
生活の錆
或る日のサローンにて
五月と読書生
時間
街と同盟する言葉
世界的なもの
批評家の生活
街の銀幕
林檎畠にて
鮒を釣る卓
凡人私語
晴日の書窓にて
或る日に思ふ
生活の楽しさ
人生老い莫し
貧民の叡智
小さな世界
旅する心
燕雀の志
春に考へる
書斎の春
順境・逆境
本と読書との好み
金について
眠むれぬ或る夜
菜園
散歩の哲学
高円寺にて
新生日本の姿

編者解説 高円寺の新居格(荻原 魚雷)

 

新居 格 (ニイ イタル) (著/文)
1888(明治21)年、徳島県板野郡(現鳴門市)生まれ。東京帝大卒業後、読売や東京朝日などの新聞記者を経て文筆生活へ。個人の自由を重んじるアナキズムの立場から文芸評論や社会批評を論じる。パール・バック『大地』やジョン・スタインベック『怒りの葡萄』等、多くの翻訳も手がけたほか、「左傾」「モボ」「モガ」など時代の流行を上手く捉えた造語も生み出した。戦後は初の公選杉並区長や生活協同組合の理事長を務めるなど、市井の人々や日々の生活を大切にした。1951年逝去。享年63。主な著書に『季節の登場者』『アナキズム芸術論』『生活の錆』『女性点描』『生活の窓ひらく』『街の哲學』『心の日曜日』『市井人の哲学』『杉並区長日記』など多数。

荻原魚雷 (オギハラギョライ) (編集)
1969年、三重県鈴鹿市生まれ。文筆家。著書に『中年の本棚』『古書古書話』『日常学事始』『本と怠け者』『古本暮らし』ほか、編者をつとめた本に梅崎春生『怠惰の美徳』『吉行淳之介ベスト・エッセイ』尾崎一雄『新編 閑な老人』富士正晴『新編 不参加ぐらし』などがある。

 

 

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