転換期の文化と運動―版画運動・ルポルタージュ絵画・創造美育

転換期を生きる意識は広く通じる。今日もそうだし、1950年代もそうだった。このトークは「転換期」を軸にし、それをめぐる1950年代と今日の歴史的な重なりを探求していく。戦後の初期は、ファシスト後の解放や植民地後の独立や戦争後の平和などの希望が世界中に溢れる時代でもあり、その反面、冷戦体制の国家権力や圧倒的な軍事力による恐怖・テロに揺れる時代でもあった。今日も、先進国が次々と排他的ポピュリズムに逆行しながら公共・進歩・解放などの近代的な理想が薄れていく時代でもあり、その反面、開発主義や西洋中心主義が崩れるなかで、新しい経済・政治・連帯の原理を模索する実験に溢れる時代でもある。転換期は傍観を許さず、参加せざるおえない意味を持つ。その中を生きている意識は、どのような表現を呼び起こし、どのような表現を必要とするかを、50年代を中心に ― 版画運動と、ルポルタージュ絵画と、創造美育という実例を取り上げながら ― 考えていきたい。

 

スピーカー:ジェスティー・ジャスティン

 

日 時 2017年7月15日(土)19:00~21:00/18:30 Open
場 所 IRREGULAR RHYTHM ASYLUM|自由芸術大学
資料代 500円+投げ銭(ワンドリンクオーダー)

 

ジェスティー・ジャスティン
ワシントン大学(シアトル)アジア言語・文学学部准教授。戦後日本の視覚芸術と社会運動について研究を進め、日本の映画、文学、戦後芸術について講じている。