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マーク・ボイル著 吉田 奈緒子訳/ころから/文庫判/416ページ
「カネなし生活」で知られるマーク・ボイル(『ぼくはお金を使わずに生きることにした』著者)が非暴力神話を解体する。
「もう、たくさんだ!」と声をあげるために――
産業革命を人類史上最大の偉業と信じて疑わない人、生気あふれる自然界と のつながりの深さよりも、インターネットへの接続強度のほうが重要だと本心から思っている人、自分がどこかに帰属するという意識よりも、自分に帰属する財産のほうが大事だと感じる人には、いますぐ本書をシュレッダーにかけてしまうようおすすめする。
だけど、産業主義の「 闇のサタンの工場 」で残業するよりもっと豊かで陽気な人生があるはずだと悩んでいる人、これまでも状況を悪化させてきた思考回路や文化――「 テクノロジーの進歩でどうにかなる 」――では生態系の危機を解決できないと考える人、機械文明の轟音のうしろに、切りたおされ、独自の物語や生き物もろとも永久にうしなわれゆく、原生林の悲鳴を聞きとれる人は、このまま読みすすめてほしい。
目次
序章 3Rをアップグレードせよ
第1章 平和主義者のための暴力論
第2章 カネで買える最高に暴力的なシステム
第3章 改良主義は無意味
第4章 再統合の時代の自己防衛
第5章 非暴力 権力者好みの抗議手法
第6章 尊厳ある人生
第7章 免疫抗体
第8章 オオカミの復活
訳者あとがき 与えられた「物語」との決別を
原注
マーク・ボイル (著)
1979年、アイルランド生まれ。2007年に英国ブリストルでフリーエコノミー(無銭経済)運動を立ちあげ、2008年の無買デーからお金を一切使わない生活実験を開始。実験最初の1年間の記録『ぼくはお金を使わずに生きることにした』(紀伊國屋書店)は19カ国で刊行され、大きな反響を呼んだ。現在はアイルランド西部の小農場で、電気もガスも水道もないセルフビルドの小屋に暮らし、贈与経済の実践をつづけている。他の著書に『無銭経済宣言――お金を使わずに生きる方法』、The Way Home: Tales from a life without technology(紀伊國屋書店より邦訳刊行予定)がある。
吉田 奈緒子 (ヨシダ ナオコ) (翻訳)
1968年、神奈川県生まれ。東京外国語大学インド・パーキスターン語学科卒。英国エセックス大学修士(社会言語学専攻)。現在、千葉・南房総で半農半翻訳の生活を送っている。訳書に、マーク・ボイル『ぼくはお金を使わずに生きることにした』『無銭経済宣言――お金を使わずに生きる方法』、マーク・サンディーン『スエロは洞窟で暮らすことにした』(いずれも紀伊國屋書店)。