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藤高和輝 著/以文社/四六判上製/352ページ
「哲学」の外部へと放擲された他者の存在。この個別的かつ社会的で政治的な「生」の問題をいかに、「哲学」の内部へと「翻訳」するのか。前世紀以上に「暴力」が横行する世界において、「非暴力の思想」を構想することはいかにして可能なのか。
フェミニズム理論やゲイ&レズビアン・スタディーズ、社会学、人類学、精神分析など多様な学問分野を横断してきた、ジュディス・バトラーの難解とされるテクストを、本書は「生」と「哲学」の問題を軸に「共に取り乱しながら思考すること」への呼びかけとして、精緻に読み解いていく。
目次
序論 生と哲学を賭けた闘い
第Ⅰ部 哲学
第Ⅱ部 『ジェンダー・トラブル』へ
第Ⅲ部 パフォーマティヴィティ
第Ⅳ部 社会存在論とエチカ
結論に代えて 共にとり乱しながら思考すること
藤高 和輝 (フジタカ カズキ)
1986年大阪府生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。現在、大阪大学等非常勤講師。
共著書:『子どもと教育の未来を考えるII』(北樹出版)。
論文:「アイデンティティを引き受ける バトラーとクィア/アイデンティティ・ポリティクス」(『臨床哲学』16号)、「排除・弁証法的反転・増殖 ジュディス・バトラーにおける法の生産的メカニズムと抵抗戦略」(『論叢クィア』6号)、「実存とトラブル サルトルの読者としてのバトラー」(『社会思想史学会年報』40号)など。