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松下竜一 著/河出書房新社/四六版変形/272ページ
1974年に起きた連続企業爆破事件の真実とは?――大道寺将司と彼らグループの、犯行へと至る軌跡と公安警察との攻防、そして収監後の内省の日々に寄り添い描いた傑作ノンフィクション!
松下さんが恐れた通り、現代日本は明確に「新たな帝国主義」を志向している。
大道寺たちの問いはすべての日本人に突きつけられたものだった。
私は魂を湛えた人間でありたい。だから抗う。
――斎藤貴男(ジャーナリスト)
今だからこそ記憶を揺さぶるべきだ。
彼らは何を間違えたのか。僕たちは何を焦ったのか。
個のままで悶える松下竜一が屹立する。
――森達也(作家)
1974年、三菱重工ビルをはじめとした連続企業爆破事件が発生し、翌75年公安警察によって容疑者のうち9名が逮捕される。東アジア反日武装戦線を名乗る彼らは、なぜ過激な闘争に身を投じたのか……。
事件を巡る公安警察との駆け引きや逮捕前後の動き、そして収監後の内省の日々に寄り添うことで浮かび上がる彼らの素顔――最も苦しんでいる人々の側から思考すること、アジアの人々の側から思考すること、そしてその帰結として生まれた〈反日思想〉の核心。テロリストとして一面的に報道された大道寺将司と彼らグループの真実に迫る傑作ノンフィクション。
松下竜一 (マツシタ リュウイチ)
1937年大分県生まれ。68年、『豆腐屋の四季』でデビュー。82年、『ルイズ――父に貰いし名は』で講談社ノンフィクション賞受賞。著書に『記憶の闇』『怒りて言う、逃亡には非ず』などがある。04年、没。