マンガ版マルチスピーシーズ人類学

4230

マンガ版マルチスピーシーズ人類学  (4230)

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奥野克巳・シンジルト編 MOSA (マンガ)/以文社/A5判/344ページ

 

文化人類学×マンガ、マルチスピシーズ民族誌×マンガ!!

これまでの人間中心主義的な記述を廃し、人間以外の「多種」との交流を描くマルチスピーシーズ民族誌。本書は、文化人類学における代表的な営みである「民族誌」の可能性を開く分野と、マンガという親しみやすい表現形式が出会った「マンガ版マルチスピーシーズ人類学」という新たな試みである。

20世紀にB.マリノフスキが唱えたフィールドワークのコアであるとされた「実生活の不可量部分」をマンガという自由闊達な表現によって、とらえようとする「人類学マンガ」を、本書では、8人の人類学者による8つのマルチスピーシーズ民族誌のマンガ化によって表現する。

「単一種としての人間ではなく、複雑に絡まり合う多種へ。人間だけに特権を与える人間例外主義ではなく、あらゆる生物種に行為主体性を認めるマルチスピーシーズ人類学共同体へ。人間と動物という二元論思考ではなく、群れとなって、絡まり合いながら現れては消え、消えては現れる多元的な生成へ。」(本書、序論より)

 

目次

序 論 マンガとマルチスピーシーズのハイブリッドーーより闊達な人類学のために(奥野克巳)
第一章 豊穣を占うバンバラム(宮本万里)
第二章 天寿を全うする家畜たち(シンジルト)
第三章 語り合うカスカと動物霊(山口未花子)
第四章 文化キャンプと古老たちの教え(近藤祉秋)
第五章 ブタを探して(近藤宏)
第六章 富を生み出すヤマアラシの胃石(奥野克巳)
第七章 人体に棲まうマラリア原虫/ロア糸状虫(大石高典)
第八章 金華山「殺猿事件」の顚末(島田将喜)
あとがき(シンジルト)
マンガができるまで(MOSA)

 

奥野 克巳 (オクノ カツミ)
立教大学異文化コミュニケーション学部教授。北・中米から東南・南・西・北アジア、メラネシア、ヨーロッパを旅し、東南アジア・ボルネオ島焼畑稲作民カリスと狩猟民プナンのフィールドワークを実施。主な著書に『モノも石も死者も生きている世界の民から人類学者が教わったこと』(亜紀書房、2020年)、『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』(亜紀書房、2018年)。『Lexicon 現代人類学』(以文社、共編著、2018年)、主な訳書にティム・インゴルド『人類学とは何か』(共訳、亜紀書房、2020年)などがある。

シンジルト
熊本大学教授。主な専門領域は社会人類学/内陸アジア研究。主な著書に『オイラトの民族誌ーー内陸アジア牧畜社会におけるエコロジーとエスニシティ』(2021、明石書店)、主な編著に『牧畜を人文学する』(2021、シンジルト・地田徹朗編、名古屋外国語大学出版会)、『新版 文化人類学のレッスンーーフィールドからの出発』(2017、梅屋潔・シンジルト編、学陽書房)、『動物殺しの民族誌』(2016、シンジルト・奥野克巳編、昭和堂)、『民族の語りの文法』(2003、風響社)などがある。

MOSA (モサ)
マンガ家。主な作品に『マンガ人類学講義 ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか』(奥野克巳との共著、日本実業出版社)などがある。

 

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