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デイヴィッド・ライアン著 大畑凜、小泉空、芳賀達彦、渡辺翔平訳/新教出版社/四六判/336ページ
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近代化による宗教の退潮を唱えた世俗化論は、長らく宗教研究の基盤となってきた。しかしいま、ディズニーランドに象徴されるポストモダンの情報・技術・消費社会において、従来の制度や組織を超えた多様な宗教的営為が開花している。そのメカニズムを分析、宗教社会学の新たな枠組みを模索しながら自らのキリスト教的倫理をも開示する、監視社会論の泰斗による異色作。
目次
序 章
第1章 ディズニーランドでイエスに出会う
第2章 信仰の運命
第3章 ポストモダンのきざし
第4章 時のしるし
第5章 自己を買い求めて
第6章 グローバルな聖霊
第7章 短縮する時間
第8章 信仰の未来
訳者解説
デイヴィッド・ライアン(David Lyon)
1948年生まれ、カナダ・クイーンズ大学教授、社会学者。監視社会論で世界的に知られるほか、キリスト教信仰に基づいた社会倫理と社会学的分析を結合させた独自の研究を行う。著書は監視社会論、ポストモダン論、情報社会論など多岐にわたり、邦訳に『監視社会』(河村一郎訳、青土社、2002年)、『9・11後の監視――〈監視社会〉と〈自由〉』(田島泰彦監修、清水知子訳、明石書店、2004年)、『監視文化の誕生――社会に監視される時代から、ひとびとが進んで監視する時代へ』(田畑暁生訳、青土社、2019年)などがある。
大畑凜(おおはた・りん)
1993年生まれ。大阪府立大学大学院博士後期課程。著書に『軍事的暴力を問う――旅する痛み』(共著、青弓社、2018年)、論文に「責任と原則――戦後責任論争の現在」(『福音と世界』2020年9月号)、「人質の思想――森崎和江における筑豊時代と「自由」をめぐって」(『社会思想史研究』44号、2020年)など。
小泉空(こいずみ・そら)
1991年生まれ。大阪大学大学院博士後期課程。論文に「はかなきものたちのために――ジャン・ボードリヤールの68年論」(『年報カルチュラル・スタディーズ』Vol. 8、2020年)、「居住不可能なところに住むこと――ヴィリリオの空間論」(『人間社会学研究集録』12号、2017年)など。
芳賀達彦(はが・たつひこ)
1987年生まれ。大阪府立大学大学院博士後期課程。論文に「警察と顔役――大阪市内闇市の組織化に関する考察」(『人間社会学研究集録』2018年13号)。翻訳にデヴィッド・グレーバー『ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論』(共訳、岩波書店、2020年)など。
渡辺翔平(わたなべ・しょうへい)
1991年生まれ。大阪府立大学大学院博士後期課程。論文「『アスペルガー』と改善の物語――素人専門家による自閉症スペクトラム障害の描写の一例」(『人間社会学研究集録』15号、2020年)など。