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寺尾紗穂 著/STAND BOOKS/四六判 仮フランス装/320頁
私も父も彗星だったのかもしれない。暗い宇宙の中、それぞれの軌道を旅する涙もろい存在。ふたつの軌道はぐるっと回って、最後の最後でようやく少しだけ交わった。そんな気がした。――「二つの彗星」
音楽家として高い評価を受け、書き手としても注目を集める寺尾紗穂による、これまでの集大成となる待望のエッセイ集
遠くて遠い父、娘たちのぬくもり、もう会えない人と風景――未婚での子育て、混沌とした結婚とようやく至った離婚。歌うことと書くことだけ、いつも手放さなかった。ひとりの人間として、母として、女として切実に生きる日常を、世界を、愛おしく、時には怒りにも似た決意を持って綴る。闇から明かりさす世界に向かう、光のような言葉。亡くなった父親について書き、大きな反響を呼んだ「二つの彗星」をはじめ、新聞、雑誌、ウェブ、これまで様々な媒体で書いた文章の他に、大幅に書き下ろしを追加。唯一無二の文章家によるエッセイの到達点。
※ サイン本、特典(書き下ろしエッセイ)ペーパー付
寺尾紗穂 SAHO TERAO
音楽家。文筆家。1981年11月7日東京生まれ。2007年ピアノ弾き語りによるアルバム『御身』が各方面で話題になり、坂本龍一や大貫妙子らから賛辞が寄せられる。以降、アルバム『御身onmi』『風はびゅうびゅう』『愛の秘密』『残照』『青い夜のさよなら』『楕円の夢』『私の好きなわらべうた』『たよりないもののために』をリリース。並行して伊賀航、あだち麗三郎と結成したバンド「冬にわかれて」の始動、坂口恭平バンドにも参加。活動は、映画の主題歌提供、CM音楽制作(ドコモ、森永など多数)やナレーション、エッセイやルポなど多岐にわたる。新聞、ウェブなどで連載を持ち、朝日新聞書評委員も務める。著書に『評伝 川島芳子』『愛し、日々』『原発労働者』『南洋と私』『あのころのパラオをさがして 日本統治下の南洋を生きた人々』、編著書に『音楽のまわり』がある。