東アジアのヤスクニズム――洪成潭〈靖国の迷妄〉

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東アジアのヤスクニズム――洪成潭〈靖国の迷妄〉  (3148)

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東アジアのYASUKUNISM展実行委員会 編/古川美佳・岡本有佳 責任編集/唯学書房/A5判並製/216ページ

 

国家暴力にアートで抗う! 画家・洪成潭(ホンソンダム)の挑戦

靖国神社は、侵略の美化/戦争への動員を正当化する装置であった。しかし、それはいまなお、日本を、東アジアを、闊歩している。私たちは、ヤスクニズムとどう対峙するか?

〈ヤスクニズム〉とは?
ダグラス・ラミス(沖縄キリスト教学院大学教員)が日本の保守派の軍国時代のロマンを「靖国+イズム=ヤスクニズム」として、ドイツの「ナチズム」と比して皮肉った造語。つまり、私たちの日常に潜む「国家主義、国家暴力」と言いかえることができます。

 

【目次】

洪成潭●記憶──ヤスクニズム 訳・岡本有佳

第1章 〈靖国の迷妄〉作品を読む
古川美佳●靖国の闇のただなかで──洪成潭 連作〈靖国の迷妄〉美学的解釈の糸口へ
洪成潭●私はふたたび、ヤスクニの闇の中を歩く 訳・古川美佳
展覧会・活動年表、作品リスト、参考文献
武居利史●洪成潭の造形世界が語りかけるもの
池田忍●日本美術、ジェンダーの観点からみる
市原研太郎●社会的、政治的表現と検閲の批判──洪成潭と“Banned Images”展
毛利嘉孝●見えないヤスクニズムを可視化するために
井口大介●靖国神社・美化する政治性と美術表現について
原爆の図 丸木美術館 洪成潭連作〈靖国の迷妄〉巡回展
岡村幸宣●ヤスクニズムを超えて、未来の道を照らし出す
大浦信行●地霊と共振する〈靖国の迷妄〉
金城実●靖国を彫る遠近法──なぜ沖縄で靖国裁判を起こしたのか
口絵 連作〈靖国の迷妄〉
洪成潭●靖国と松井秀男伍長─19 訳・古川美佳、李英哲

ドキュメント
東アジアのYASUKUNISM展ドキュメント 岡本有佳
田中恵美・岡本有佳●革命版画学校 with A3BC: 反戦・反核・版画コレクティブ
粟津ケン・壷井明・古川美佳●音楽と美術のコラボ〈忘却の陰で──哀しみの東アジア、そしてフクシマ〉
古川美佳●李愛珠の舞台──戦争の掃き清め巫舞
小森明子●日本の表現者は何をするのか
李英哲●朗読「ヤスクニの詩(靖国と松井伍長)」を演出して 趙鏞基 尹成銖
李泳采●時代精神としての東アジアのYASUKUNISM展
金英丸●平和の灯を! ヤスクニの闇へキャンドル行動

第2章 ヤスクニの何が問題か
内海愛子+永田浩三●分断される死
辻子実●恐ろしさのただ中で
南相九●韓国人にとって靖国神社とは何か
田中優子●靖国は神社なのか?
中西新太郎+鵜飼哲●ヤスクニと現代日本
須藤遙子●自衛隊協力映画にみる「フツー」性
小倉利丸●表現の政治力を復権させる可能性として
土井敏邦+洪成潭●〈記憶〉をめぐる対話
崔善愛●洪成潭への道
ダグラス・ラミス+洪成潭●戦争できる日本/増殖するヤスクニズム

終章 徐勝●洪成潭と東アジアへ──国家暴力への美術的抵抗

 

洪成潭(ホン・ソンダム/Hong Sung dam)
画家。1955年全羅道の荷衣島(ハウィド)生まれ。光州朝鮮大学美術科卒業。80年、軍の武力弾圧によって多数の市民が犠牲となった光州民衆抗争で文化宣伝隊として活動。その後、韓国民衆美術運動の最も先鋭的な担い手となる。80年代をとおし光州虐殺の真相究明のために闘争し、89年に国家安全企画部に逮捕され、国家保安法違反で3年間投獄された。収監中、アムネスティ・インターナショナル本部で「芸術家の良心囚3人」に選ばれる。92年出所以降、活発な作品活動を続ける。95年第1回、2000年第3回光州ビエンナーレ韓国代表作家に選ばれる。おもな作品は、五月光州民衆抗争連作版画〈夜明け〉、国家主義を批判した〈靖国の迷妄〉連作絵画、環境と生態のための連作図〈木魚〉など。2007年東京GALLERY MAKIで初の〈靖国の迷妄〉個展。2014年、光州ビエンナーレ20周年の特別展で《セウォル五月》(洪成潭と視覚媒体研究所の共同制作)が、「直接的な政治批判」という理由で展示を拒否された。著書『光州「五月連作版画―夜明け」ひとがひとを呼ぶ』(夜光社、2012年)、小説に『バリ』『同行』(未翻訳)など。

 

責任編集

古川美佳(ふるかわ・みか)
朝鮮美術文化研究。特に韓国の民衆美術運動、韓国現代美術。女子美術大学非常勤講師。東アジアのYASUKUNISM展共同代表。共著『韓流ハンドブック』(新書館)、共著『光州「五月連作版画 ― 夜明け」ひとがひとをよぶ』(夜光社)、共著『アート・検閲、そして天皇』(社会評論社)など。

岡本有佳(おかもと・ゆか)
編集者。風工房主宰。東アジアのYASUKUNISM展共同代表。表現の不自由展共同代表。映画『60万回のトライ』共同プロデューサー。編著『〈平和の少女像〉はなぜ座り続けるのか』(世織書房)、共著『Q&A 朝鮮人「慰安婦」と植民地支配責任』(日本軍「慰安婦」webサイト制作委員会編、御茶の水書房)など。

 

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