デモクラシー・プロジェクト―オキュパイ運動・直接民主主義・集合的想像力

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デモクラシー・プロジェクト―オキュパイ運動・直接民主主義・集合的想像力  (2979)

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デヴィッド・グレーバー 著 木下ちがや・江上賢一郎・原 民樹 訳/航思社/四六判並製/368頁

 

これが、真の民主主義だ!

「われわれは99%だ!」を合言葉に登場したオキュパイ運動。
2011年のウォールストリートを皮切りに世界へ広がり、
格差是正や債務帳消しを求めて今も各地で展開されている。
このオキュパイ運動の立ち上げから密接に関わり、理論的な支えとなったアナキスト人類学者が、
運動のなかで/を踏まえて考察・実践する「真の民主主義のかたち」。
民主主義の歴史や思想の理論的分析から、
集団的意思決定や組織運営の方法にいたる実践までをわかりやすく解説・提唱する。

 

著者より

本書は、オキュパイ運動についてだけではなく、民主主義の可能性について、さらにオキュパイ運動が可能にしたラディカルな想像力の開花についてもとりあげた。〔…〕
2011年11月の強制排除以降、オキュパイは死んだというような評論がなされた。かれらが理解しなかったことは、いったん人々の政治的水平性が広がったならば、変革は永遠であるということだ。
今や数十万という人が、自己組織化、集団行動、そして人間的連帯を実際に経験している。
世界の金融エリート、政治エリートが目をつぶったままリーマンショック並みの危機の再発へ向けて滑走する一方で、われわれは真に民主的な文化の土台を築き、まったく新しい政治の構想に息吹を与えるスキル、習慣、経験を取り入れるのだ。
それととも革命的想像力が再生するのである。
――「はじめに」より

 

目次:

はじめに

第Ⅰ章 はじまりは近い

四月六日運動  US Uncut( 全米財政削減反対運動)  シックスティーン・ビーバー通り  8月2日  99パーセント  ミーティング  当日

第Ⅱ章 なぜうまくいったのか

第Ⅲ章 民主主義の知られざる歴史

第Ⅳ章 変革の方法

合意形成  合意形成に関するQ&A  差し迫った理由がない限り合意形成を求める提案をしてはならない  直接行動・市民的不服従・キャンプ  警察に対する戦術

第Ⅴ章 呪文を解く

研究1 生産性至上主義者たちの大安売り  研究2 労働とは何か?  研究3 官僚制度  研究4 共産主義を取り戻す

 

デヴィッド・グレーバー(David Graeber)
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授(文化人類学、社会運動、社会理論など)。1961年、ニューヨーク生まれ。
邦訳された著書に『アナーキスト人類学のための断章』(以文社、2006年)、『資本主義後の世界のために』(以文社、2009年)など。未邦訳の著書にDebt: The First 5000 Years (Melville House, 2011)、Revolutions in Reverse: Essays on Politics, Violence, Art, and Imagination (Minor Compositions, 2011)など。

 

木下ちがや(きのした・ちがや)
明治学院大学非常勤講師。1971年生まれ。著書に『原発を止める人々』(共編、文藝春秋)、Japan and the High Treason Incident(共著, routledge)、『民主主義・平和・地球政治』(共著、日本経済評論社)、訳書にノーム・チョムスキー『チョムスキーの「アナキズム論」』(明石書店)ジョック・ヤング『後期近代の眩暈』(青土社)、デヴィッド・ハーヴェイ『新自由主義』(共訳、作品社)など。

江上賢一郎(えがみ・けんいちろう)
インディペンデント・リサーチャー、写真家。1980年生まれ。早稲田大学教育学部卒業、ロンドン大学ゴールドスミス校修士課程修了(文化人類学)。論文に“Art of the Nuclear War – Collective Creation and Movements” (Creative Space-Art and Spatial Resistance in East Asia, DOXA, Hong Kong)、「逃げつつ根付くこと―統治システムから離脱すること、東アジアの場所づくり」(共著、『現代思想』第41巻8号)など。

原 民樹(はら・たみき)
一橋大学大学院社会学研究科博士課程在籍。1985年生まれ。論文に「フィリピンにおける輸出加工区政策の現代的展開」(『一橋研究』第39巻2号)、「反原発運動のエートス――エジプト革命から受け継いだもの」(『日本の科学者』第47巻9号)、著書に『図説 経済の論点』(共著、旬報社)、翻訳にアナスタシア・リャブチュク「正しい革命?――ウクライナにおけるユーロマイダン運動の明暗」(『現代思想』第42巻10号)など。

 

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