在庫状態 : 売り切れ
ヨゼフ・チャペック 著 増田幸弘・増田集 編訳/共和国/菊変型判/180ページ
童話『こいぬとこねこのおかしな話』、あるいは『園芸家の12カ月』の挿画など弟カレルとのコラボ「チャペック兄弟」としても日本で人気の高いチェコスロヴァキアの画家でエッセイスト、ヨゼフ・チャペック(1887-1945)。彼はナチズムがヨーロッパを席捲する危機的な状況のもとで、自由と平和、そして民主主義のために、独自のユーモラスなタッチで、連作『独裁者のブーツ』をはじめ「反ファシズム」をテーマにした1コマ漫画や諷刺画を描きつづけました。
本書は当時の新聞紙に掲載された貴重な作品を集成し、強制収容所で没するまでの生涯をたどった、日本語版オリジナル編集です。
目次
Ⅰ 独裁者のブーツ
序―ヨゼフ・ホラ
独裁者のブーツ
Ⅱ 平和? 戦争? それとも恥? 反ファシズムのためのイラスト集
(新聞紙等に掲載された50余点の諷刺画、1コマ漫画を収録)
Ⅲ ヨゼフ・チャペックの人と仕事
01 新聞記者としてのヨゼフ・チャペック
02 引きこもりオタクのつよさ――イージー・オペリーク
03 チャペック兄弟とその時代
04 日常を生きたヨゼフ――パヴラ・ペチンコヴァー
05 強制収容所のヨゼフ・チャペック
06 チャペック兄弟のプラハ
ヨゼフ・チャペックと世界の動き
編訳者あとがき
ヨゼフ・チャペック
1887年、オーストリア=ハンガリー帝国下のフルノフに生まれ、1945年、ナチス・ドイツのベルゲン・ベルゼン強制収容所に没する。プラハ工芸美術大学で学んだあと、画家、物語作家、エッセイスト、装幀家として活躍する。弟カレルとの「チャペック兄弟」としても、現在に至るまで世界各国で愛され、高い評価を受けている。
邦訳されたおもな著作に、『ヨゼフ・チャペック エッセイ集』(飯島周訳、平凡社、2018)、『こいぬとこねこのおかしな話』(木村有子訳、岩波少年文庫、2017)、『チャペックの本棚 ヨゼフ・チャペックの装丁デザイン』(千野栄一訳、ピエブックス、2003)、『園芸家12カ月』(カレルとの共著、小松太郎訳、中公文庫、1996)など多数がある。
増田 幸弘 (マスダ ユキヒロ)
1963年、東京に生まれる。フリー編集者・記者。早稲田大学第一文学部卒業。
おもな著書に、『不自由な自由 自由な不自由 チェコとスロヴァキアのグラフィック・デザイン』(共著、六耀社、2017)、『黒いチェコ』(彩流社、2015)、『プラハのシュタイナー学校』(白水社、2010)などがある。
増田 集 (マスダ ツドイ)
1995年、山口に生まれる。ブラチスラヴァ美術デザインアカデミー(VŠVU)在学中。
共著に、『不自由な自由 自由な不自由 チェコとスロヴァキアのグラフィック・デザイン』(六耀社、二〇一七)がある。