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森元斎/筑摩書房/新書判/272頁
……見せかけの土壌を変える。生活に、具体性に、自然に足をしっかりつける。地を這うことが重要なのだ。こうしたアナキズムの基礎に基づいてマフノはコミューンを作っていった。ルクリュは進化を唱えていった。クロポトキンは相互扶助を再発見していった。バクーニンは暴れた。プルードンは革命を唱えた。……
国家なんて要らない。資本主義も、社会主義や共産主義だって要らない。いまある社会を、ひたすら自由に生きよう―そうしたアナキズムの思考は誰が考え、発展させてきたのか。生みの親プルードンに始まり、奇人バクーニン、聖人クロポトキンといった思想家、そして歩く人ルクリュ、暴れん坊マフノといった活動家の姿を、生き生きとしたアナーキーな文体で、しかし確かな知性で描き出す。気鋭の思想史研究者が、流動する瞬間の思考と、自由と協働の思想をとらえる異色の入門書。
目次
第1章 革命―プルードンの知恵(アナーキー・イン・ザ・フランス;フランス革命 ほか)
第2章 蜂起―バクーニンの闘争(奇人、バクーニン;破壊と創造 ほか)
第3章 理論―聖人クロポトキン(聖クロポトキン;クロポトキン、シベリアへ行く ほか)
第4章 地球―歩く人ルクリュ(地を這うアナキスト;ネイチャー・ボーン・アナキスト ほか)
第5章 戦争―暴れん坊マフノ(必殺仕置人、マフノ;豊かなウクライナ ほか)
森元斎(もり・もとなお)
1983年東京生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。専門は哲学・思想史。著書に「具体性の哲学」など。