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アナキズム文献センター/A4/28ページ
「地の子、土民は、幻影を追ふことを止めて地に着き地の真実に生きんことを希ふ。地の子、土民は、多く善く地を耕して人類の生活を豊かにせんことを希ふ。地の子、土民は、地の芸術に共鳴し共働して穢れざる美的生活を享楽せんことを希ふ。土民生活は真である、善である、美である」(石川三四郎「土民生活」より)
大逆事件後、日本を脱出してブリュッセルのルクリュ家に身を寄せた石川三四郎は、その後、フランスに移った一家とともに百姓生活を送りますが、この生活が石川の思想を深化させました。8年あまりの亡命生活を経て、日本に帰国した第一声が「土民生活(デモクラシー)」。日本での土民生活の実践を求めて、ようやく見つけた東京郊外・千歳村(現世田谷区)の土地に「共学社」と看板を掲げたのが1927年、今から90年前のことです。
資本主義が行き詰まった現在、生きる実感を失い出口なき道を彷徨い続けている多くの若者たち。大人たちが放射能をまき散らしたために土にも触れない成長を余儀なくされている被災地の子どもたち。私たちは「地の子」から遥か遠くに来てしまいました。まさに今こそ、ルクリュ家から学んだ石川の思想を再確認し、実践するときではないでしょうか。
1月=ルクリュ家の家族写真
2月=ブリュッセルでのポール・マルガリータ夫妻と石川三四郎
3月=エリゼ・ルクリュの主著『L’Homme et la Terre(地人論)』の扉デザイン
4月=エリゼ・ルクリュのポートレート/パンフレット『L’Anarchie et l’Eglise』表紙
5月=特別寄稿:森元斎『石川三四郎とルクリュ』
6月=エリゼ・ルクリュの肖像画/写真
7月=石川三四郎の写真(田中正造を語る座談会/『西洋社会運動史』出版記念会/喜寿記念)
8月=画家ルイス・モローによるエリゼ・ルクリュを描いた木版画
9月=共学社(不盡草房)
10月=抜粋収録:石川三四郎「半農生活者の群に入るまで」
11月=ポール・ルクリュが撮影したエリゼ・ルクリュ
12月=石川三四郎著『エリゼ・ルクリュ 思想と生涯』書影/『ディナミック』エリゼ・ルクリュ追悼号