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渋谷敦志/瀬戸内人/B5判上製/160頁
郷愁へのまなざしが写真を続ける力になったのはいつごろからだろうか――
”サウダージ”に誘われるように、海を渡り、境界を越えてきた写真家・フォトジャーナリストの原点・ブラジルへの旅の追憶。
「ナショナルジオグラフィック日本版」や、「アジカン」のGotchことミュージシャンの後藤正文氏が編集長をつとめる「The Future Times」に寄稿し、アフリカ、アジア、南米と世界を旅する渋谷敦志のファースト写真集。文化人類学者・今福龍太氏のエッセイも収録!
目 次
3
オルフェウの受胎─ブラジルへの絵葉書
今福龍太
8
Angola アンゴラ
12
São Paulo サンパウロ
Rio de Janeiro リオデジャネイロ
Minas Gerais ミナスジェライス
62
Brasília ブラジリア
Bahia バイーア
Ceará セアラー
Pernambuco ペルナンブーコ
Maranhão マラニャン
102
Amazonas アマゾナス
Pará パラー
138
Fukushima 福島
144
回帰するブラジル
渋谷敦志
156
写真作品リスト
158
謝辞
前書きなど
郷愁へのまなざしが写真を続ける力の源になったのはいつごろからだろうか。世界をカメラと共に旅しながら、時折そんなことをぼんやりと考える。ひとつ言えることはある。それは、もしブラジルと出会わなければ、こんな生き方をしていなかっただろうということだ。憧憬にも似た未知の世界へのまなざしを生きる道標に、撮り手である自分の心を試しながら、そのまなざしのもっと向こう側にあるであろう、未来とも希望とも言っていい光の射す場所を探し求めてきた。それがぼくの写真であり旅であり、そのはじまりの場所がブラジルだった。
――渋谷敦志 本書より
渋谷 敦志(シブヤ アツシ)
1975年、大阪府生まれ。写真家。高校生のときベトナム戦争の写真集を見て写真家を志す。立命館大学在学中に1年間、ブラジル・サンパウロの法律事務所で働きながら写真を本格的に撮り始める。2002年、London College of Printing(現London College of Communication, University of the Arts London )卒業。第3回MSFフォトジャーナリスト賞、日本写真家協会展金賞、視点賞・視点展30回記念特別賞など受賞。これまで、「ナショナルジオグラフィック日本版」やミュージシャンの後藤正文氏が編集長を務める「THE FUTURE TIMES」などに寄稿。著書に『希望のダンス̶エイズで親をなくしたウガンダの子どもたち』(学研教育出版)、共著に『ファインダー越しの3.11』(原書房)がある。現在は東京を拠点に、アフリカやアジアの国々で、紛争や貧困、災害の地で生きる人々の姿を写真と言葉で伝えている。