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羅永生[著] 丸川哲史 鈴木将久 羽根次郎[編訳]/共和国/四六判並製/360頁
学生を中心に数万人が都心を占拠した2014年の「雨傘革命」によって、世界を揺さぶった香港。返還にともなって始まった「一国両制度」のもと、なぜ、この都市の人びとは立ち上がったのか? 金融資本や観光に支配されない香港の現在を暴く、気鋭の論客による思想=運動論集。日本語版オリジナル。
目次
はじめに
【第1章】
香港現代思想史──「本土意識」の歩み
【第2章】
冷戦下の脱植民地化香港──「中文公用語化運動」の詳論
六〇、七〇年代香港の返還言説
【第3章】
七・一をふりかえる──市民共和のポストコロニアルな主体性の議論とともに
香港は「国民教育運動に従わない」
勇士の凱旋に際して保釣をふりかえる
コンセンサスが崩れた新選挙文化
【第4章】
バーチャル・リベラリズムの終結
植民地主義一つの見失われた視野
主体性をもった本土性に向けて
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香港現代史略年表
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解説 方法としての香港(丸川哲史)
著者プロフィール
羅 永生(ラ エイセイ)
1958年、香港に生まれる。嶺南大学文化研究系准教授。オーストラリア・シドニー工科大学 Ph.D(カルチュラルスタディーズ)。香港中文大学社会学 MPhil。主な著書に、Collaborative Colonial Power: The Making of the Hong Kong Chinese (2009)、『勾結共謀的殖民権力』(2015年)、『殖民家国外』(2014年)、『殖民無間道』(2007年)がある。ポストコロニアル文化政治、香港文化、香港映画、キリスト教原理主義、比較社会思想史などの研究を行なっている。
丸川 哲史(マルカワ テツシ)
1963年、和歌山市に生まれる。明治大学政治経済学部教員。一橋大学言語社会研究科博士後期課程修了。著書に、『阿Qの連帯は可能か?』(せりか書房、2015年)、『魯迅出門』(インスクリプト、2014年)、『思想課題としての現代中国』(平凡社、2013年)がある。
鈴木 将久(スズキ マサヒサ)
1967年、東京に生まれる。一橋大学言語社会研究科教員。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。著書に、『上海モダニズム』(中国文庫、2012年)、編訳著に、『中国が世界に深く入りはじめたとき』(賀照田著、青土社、2014年)がある。
羽根 次郎(ハネ ジロウ)
1974年、横浜市に生まれる。明治大学政治経済学部専任講師。一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程修了。論文に「『陸』の世界の少数民族と貧困――「ウイグル問題」をめぐるアイデンティティ・ポリティクス再考」(『at プラス』第22号、2014年)がある。