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山口晃著/虹霓社/四六判/510ページ
『ヘンリー・ソロー全日記』訳者・山口晃の初著作、思想家・石川三四郎を新たに読み解いた力作
幸徳秋水、大杉栄と並ぶアナキズム運動の先駆者の一人と称せられる石川三四郎。その石川が出会った〝ある水脈〟。田中正造、エドワード・カーペンター、ヘンリー・ソロー、椎名其二、中西悟堂、金子きみ、唐沢隆三…そしてエリゼ・ルクリュ。
『ヘンリー・ソロー全日記』や『コンコード川とメリマック川の一週間』(而立書房)、『ソロー日記』 春夏秋冬全4巻(彩流社)など、ソローの翻訳で知られる山口晃による初の書き下ろし。
石川三四郎を従来の「アナキズム」「社会主義」では括らず、「身体」「草鞋」「さすらい」「居場所」「裸」などのキーワードを軸に、石川が出会った人々を通して思想家ではない石川三四郎像を描く。石川論の新しい地平。
目次
Ⅰ ある水脈との出会い
一 土民生活
二 保守
Ⅱ 水脈の傍らで
一味
原風景としての帆船
「妹の力」
斧吉と観音さま
二人の異邦人
モロッコの光と影のなかで
なりわいと椎名其二
武蔵野と中西悟堂
裸
歌集『草』出版のあとさき
『ディナミック』から『柳』へ
さすらいと居場所
泉をつなぐ地下水脈
思想でない、ある水脈
補記 踊りながら
補記Ⅱ 東洋の穏やかな呼吸―軽さとおおらかさ―
山口 晃 (ヤマグチ アキラ)
1945年、埼玉県本庄に生まれる。『木学舎便り 石川三四郎研究個人誌』(1997~2007年、全8巻)、『木菟庵便り Thoreauvian notes』(2012~18年、全10巻)、『月の便り ある水脈の傍らで』(2012年より、年2回刊行中)、いずれも個人誌。20年ほど前から、1日のうち3分の1は農作業、大工仕事をし、残りの時間はヘンリー・ソロー全日記を訳している。H・Sソルト『ヘンリー・ソローの暮らし』(風行社)、ソロー『コンコード川とメリマック川の一週間』(而立書房)、『ソロー日記』 春夏秋冬全4巻(彩流社)を訳してきた。