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ウォルター・モズリイ(著) 品川亮(訳)/共和国/四六変型判 上製/272ページ
「ぼくたち全員の人生をよりよいものにするには、どうしたらいいのだろう?」――仕事、税金、収入、住居をはじめとする政治・経済から暮らしまで、社会主義と資本主義のハイブリッドを提起する画期的な20章。
『ブルー・ドレスの女』(ハヤカワ文庫)など、多くのミステリーで知られるアメリカを代表する黒人作家が、新しい社会のありかたを提言。社会主義や資本主義のようなイデオロギーではなく、政治、経済、差別、所有、食べもの、税、労働時間、文化などについてわかりやすく語りながら、21世紀の生き抜きかたを考えます。
著者への最新インタビュー、酒井隆史さん(社会思想史)による2万字解説を附す。
目次
まえがき 実現できるかもしれないすばらしい世界がある
アントピア
0 〈アントピア〉──完璧ではないぼくたち人間のための場所
1 まずはじめに信じたい二つのこと
2 人間は誤りを冒す
3 いったい誰のための進歩なのだろう?
4 人間は交換可能な部品にすぎない
5 なぜみんなが億万長者になれないのか?
6 もっと欲しいのに手に入らない苦しみ
7 最優先すべきほんとうに必要なもの
8 言葉がなくなれば人間もいなくなる
9 世界は個人の前にひれ伏す
10 嵐が来る前に屋根を直しておく
11 だれがなにを所有しているのか?
12 人間にとってどうしても必要な8つのもの
13 人間から労働力を奪う機械への課税
14 基礎食品と眠る場所の心配をなくす
15 所得税率は一定にし、真に自由な市場を守る
16 自分のほんとうの姿を見失ってはならない
17 そのためには〝革命〟が必要だ
18 資本主義と社会主義に手綱をかける
19 労働時間を減らし、日常から飛び出そう
参考文献
著者インタビュー:自身の奥深くを見つめ直し、そこで見つけたものを共有していく
解説:同化を拒みつつ、別の世界を考える――ウォルター・モズリイについて(酒井隆史)
訳者あとがき
ウォルター・モズリイ
1952年生まれ。アメリカ合衆国在住の小説家。
1990年、「イージー・ローリンズ」シリーズ第一作となる『ブルー・ドレスの女』でエドガー賞などを受賞、映画化される。以後、色をタイトルにした『赤い罠』『ホワイト・バタフライ』『ブラック・ベティ』『イエロードッグ・ブルース』(以上、いずれも坂本憲一訳、早川書房)をはじめ多数の小説を発表。
評論に『放たれた火炎のあとで』(藤永康政訳、ブルースインターアクションズ)などがある。
品川亮(シナガワ リョウ)
1970年生まれ。文筆業、翻訳家、編集者、映像制作。『STUDIO VOICE』元編集長。
著書に、『366日 映画の名言』(三才ブックス)、『〈帰国子女〉という日本人』(彩流社)など。訳書に、ラーシュ・ケプレル『墓から蘇った男』(上下、扶桑社)、トーマス・ジーヴ『アウシュヴィッツを描いた少年』(ハーパー・コリンズ・ジャパン)など多数。