日時:2016年2月20日 18:00 – 22:00
会場:IRREGULAR RHYTHM ASYLUM(東京都新宿区新宿1-30-12-302)
《企画・問題提起》
大野光明・大阪大学
小杉亮子・東北大学大学院
永山聡子・一橋大学大学院
森 啓輔・一橋大学大学院
《コメンテーター》
中村寛・多摩美術大学
https://www.facebook.com/events/1011322672247426/
2015年夏の安保法制の強行可決から約半年がたった今、現在もつづいている安保法制反対運動を考え、今後の議論の幅をひろげるための機会を設けたいと考え、このイベントを企画しました。
安保法制反対運動は、社会運動参加者や社会運動研究者、マスメディアなど、さまざまな方面から画期的なものとして評価されています。それは、2011年の反原発運動以来の大規模デモが国会前で見られたという“量”の面だけによりません。より重要な画期性として、既存の団体による動員ではなく個々人の自主的参加によること、急進的主張ではなく“立憲主義を守る”というスローガンに見られるように穏当な主張が掲げられていることといった、“質”の面が挙げられています。とくにSEALDsは、“非政治化”していると言われてきた若者たちが結集し、デモやHP、冊子などをキャッチーなスタイルにデザインしなおしていった“新しさ”によって、安保法制反対運動のアイコンとなりました。
しかし同時に考えなければならないのは、ある運動に“画期性”や“新しさ”を見出すのは、戦後社会運動論で繰り返されてきた議論でもあるということです。こうしたある種の定型的な語り口に議論を収斂させることによって、この運動の多元的な担い手や歴史性を見逃してしまうことは避けなければなりません。つまり、この運動の語り方や分析の仕方自体の問題が露呈されているのではないでしょうか。
このイベントを、2015年の安保法制反対運動が社会運動をテーマとする研究者の思考になにを引き起こしたか、なにを迫っているかを共有する場としたいと考えています。これからも続く社会運動とともに、社会運動研究でなにが語られるべきかを探るための場です。
当日は、扱う対象も時期も異なる4人の研究者がそれぞれの研究と実践をふまえて2015年の運動から考えたことを話し、参加者とともに議論に開きます。飲み物やお菓子を片手にじっくり議論することによって、多様な論点が生まれ、これからの社会運動研究をより豊穣なものにしていくきっかけとなればと思います。