海上のアーティヴィズム──アルカ・キナリの航海|ARTIVISM AT SEA: THE VOYAGE OF ARKA KINARI

「都市の未来を崩壊させるベース・ミュージック」を、インドネシア出身のシンガー、ノヴァ(NOVA)とともに、巨大な音楽フェスから民衆の抵抗の現場に至るまで、世界の様々な場所で鳴り響かせてきたミュージシャン、グレイ・フィラスティン(FILASTINE)が、2018年のMUTEK.JPの出演以来、およそ6年ぶりに来日します。ただし、今回はフィラスティンだけの来日で、ライブの企画もありません。フィラスティンは、この6年の間に音楽活動と生活様式を大胆に改め、惑星最後の偉大なコモンズ=海への「亡命」を決意、2019年に活動家やアーティストの仲間とともに、海に浮かぶカルチュラル・プラットフォーム「アルカ・キナリ」を発足しました。そのアルカ・キナリこそが、現在のフィラスティンの活動であり、生活の拠点です。今回の来日では、山形・鶴岡と東京で、アルカ・キナリの活動内容について、写真や映像を交えてじっくり紹介してもらいます。

気候変動や環境破壊、戦争、難民問題、住宅危機… 私たちが現代社会で直面しているこれらの問題を乗り越えるような、新たな生活や文化、抵抗の手段を私たちはどのように創造していけるのか。アルカ・キナリは、誰もが簡単に真似できるプロジェクトではなさそうですが、独特でスケールの大きいかれら活動の中には、人々を果敢な行動へと突き動かすようなアイデアの種が豊富に含まれているはず。貴重な機会です。ぜひ、会場へお越しください。

  • 山形・鶴岡
    日時:5月22日(水) 19:00〜
    会場:エビスヤビル(旧小池薬局恵比寿屋本店|鶴岡市本町一丁目6-88)
    入場料:1000円+カンパ制
    言語:英語(日本語通訳あり/スライドに日本語字幕
    お問い合わせ:日知舎|info [at] hijirisha.jp

※スライドに日本語字幕をつける代わりに、トーク内容をざっくりと日本語訳したペーパーを、必要な方にはご用意します。会場でスタッフにお声がけください。

ARKA KINARIについて

ARKAは、ラテン語で「船」を表し、語源となるarcereには「食い止める、守る」という意味がある。KINARIは、サンスクリット語で「半人半鳥の音楽家、生命の樹の守護者」のことを言う。アルカ・キナリは、アーティストのフィラスティンとノヴァが立ち上げた、海に浮かぶカルチュラル・プラットフォームであり、気候変動に対するレジリエンスと、海との再接続を促進するために航海する70トンの帆船である。

音楽とメッセージ
アルカ・キナリは、日中にはワークショップやスキルの共有、ローカルのミュージシャンたちによる小さなコンサートを開催している。になると、船はフィラスティン&ノヴァのステージに変容し、気候変動に警鐘を鳴らす音楽と、炭素経済終焉後の生活を想像させる映画的なビジュアルを用いたパフォーマンスが、船上で繰り広げられる。
アルカ・キナリは、公共の水辺で共有される太陽光を動力源とする巡回公演作品であり、また、メッセージであると同時に手段でもある。

スローツアー
海上のネットワークは、民族、言語、アイデアを融合する最初のインターネットだった。アルカ・キナリは、失われつつある交易路を復活させ、文化を積荷として人々を水辺に呼び戻す。アルカ・キナリの初めての航海では(パンデミックによってあらゆる国境から締め出され、太平洋上でおよそ5ヶ月間立ち往生する前に)、大西洋、カリブ海、パナマ運河を横断し、23カ国に寄港した。アルカ・キナリは2020年9月にようやく船籍のあるインドネシアの海域に入り、現在はインドネシア諸島のスパイス・ルートを巡っている。

arkakinari.org

ARKA- (Latin) a vessel, from arcere, meaning “to hold off or defend”, KINARI- (Sanskrit) a half-human, half-bird musician, guardian of the tree of life. A floating cultural platform launched by the artists Filastine & Nova, a seventy-ton sailing ship on a voyage to promote resilience to climate change and re-engagement with the sea.

MUSIC & MESSAGE
By day Arka Kinari hosts workshops, skill shares, and small concerts by local musicians. By night the ship transforms into a stage for the performance by Filastine & Nova, using music to sound the alarm for climate change and cinematic visuals to imagine life after the carbon economy.
As a touring production powered by the sun and shared at public waterfronts, Arka Kinari is both message and method.

SLOW TOUR
The maritime network was the original internet, mixing peoples, languages, and ideas. Arka Kinari revives disappearing trade-routes with culture as the cargo to people back to their waterfronts. Arka Kinari’s maiden voyage stopped in twenty-three nations, crossing the Atlantic, Caribbean, and Panama Canal, before being trapped in the Pacific Ocean for months during the pandemic. Arka Kinari finally entered her home waters of Indonesia in September 2020, and is now touring the spice routes of the archipelago.