Bodhi IA 個展 アナキズムのイメージ——インドネシアのアナキズム出版物にみるグラフィックアート

同時開催  コレクティブ・ルアングルマ図書室改修ファンドレイジング ポスター・ポストカード販売

会期  2023年7月15日(土)〜7月22日(土) 時間 13:00〜19:00 (月•水休業) 
会場  IRREGULAR RHYTHM ASYLUM (東京都新宿区新宿1-30-12-302)
入場無料

オープニング 7月15日(土)16時から 主催者トーク&交流
クロージング 7月22日(土)17時から「インドネシア音遊び ジョグジャ x IRA編」

インドネシアのジョグジャカルタを拠点にグラフィックアート、執筆、音楽の分野で多彩な活動を展開するBodhi IA(ボディ・イア @bodhi.ia)。

Bodhi IAの手がけるグラフィックアートの仕事に、インドネシアで近年出版が相次ぐ、独立系出版社の刊行によるアナキズム書籍の表紙デザインがあります。本展覧会では、かれが2010年代後半から現在まで制作してきたアナキズム書籍表紙デザインを中心に、社会運動やインディーズ音楽イベントのために制作したポスターも加えて、約30点の作品を展示します。

ZINEメーカーとしても知られるBodhiは、現在『小さなアナキストの冒険』と題した子ども向けアナキズム入門イラストブック(280ページフルカラー豪華版)の刊行を間近に控えています。展覧会では、かれのZINEをはじめ、インドネシアで近年刊行されたアナキズム書籍・ZINEの出版物も閲覧できます。

Bodhiはルアングルマ@ruang.gulmaと名付けられた、ジョグジャカルタのアートコレクティブ兼オルタナティブスペースに、立ち上げから参加してきました。ルアングルマには図書室もあるのですが、現在本棚の改修が必要な状態になっています。そのため、ルアングルマ図書室改修費用ファンドレイジングとして、会期中にBodhi作品のポスターとポストカードの販売も行います。

インドネシアにおけるアナキズムは、20世紀前半の潮流が途絶えた後、1990年代にZINEカルチャーを通じて広がり、2010年代半ばからは独立系出版社によるアナキズム書籍の刊行が相次ぐようになりました。Bodhiの仕事から、近年のインドネシアにおけるアナキズム出版の展開を知ることができます。

アートの街ジョグジャカルタのエコシステムには、アナキズム出版、社会運動、インディー音楽、コレクティブの活動を含めた対抗文化/抵抗文化の実践が含まれています。そこに関わる人々は、自由な世界への想像をどのように拡張してきたのでしょうか? Bodhi作品の「アナキズムのイメージ」がさらなるインスピレーションを触発することを願って、この展覧会を開催します。

主催・キュレーター 徳永リサ
協力 アナキズム文献センター (CIRA-JAPANA)
展覧会情報 @studio.rainforest

【アーティスト・プロフィール】
Bodhi IA は、大半の時間を文筆活動、絵を描くこと、音楽制作に費やしている。これら制作を通じて、様々な出来事を多様な視点から解釈しながら、みずからの信念を試す。ジャワ島の北部海岸プカロンガンに生まれたかれは、のちにジョグジャカルタに移り住み、ルアングルマ・コレクティブで物語を紡いできた。

音、造形、言葉という媒体を通して、かれは騒々しい叫びのナラティブを縫い合わせる。そして、激動の政治的・社会的出来事、他愛ない冗談、日々の生活が、かれの生き方にどのような影響を与えるのかをめぐって、問いを示す。音楽制作では、会話を音の楽器として加工する方法をとる。あたかも脳内でオーケストラを指揮するかのように、アンビエントサウンドを仕立てていく。視覚オブジェクトとして、かれは常にシンボルとコードを選ぶ。Rupaganggaでのソロプロジェクトのほかに、連帯音楽コレクティブのTalamariamとポストロックユニットのBuktuでも活動している。

視覚的作品の制作では、シンボルを繰り返し用いてかれ自身の経験を物語にする。あふれる情報のフローと、さまざまなビジュアル作品から予期せず到来する想像力を交錯させながら、かれは解くことが難しいパズルを提示する。この種の叫びは、ZINE、詩、短編小説、論評などのスタイルをとるかれの文筆にとって、インスピレーションの源でもある。