山本 ペロ 2007/10/09
http://greenz.jp/2007/10/09/740/
「インフォショップ」という言葉をご存知だろうか。「ZINE(ジン)」 と呼ばれるミニコミや、ステッカー、ポスターなどを置き、オルタナティブな文化を求める人の情報拠点や活動拠点を提供する場所。とくにアメリカでは現在、 公園など公的な場所(パブリックスペース)が減少傾向にあるという。それはつまり、活動や情報交換する場所に飢えている人が多くなってきているということ を示しており、インフォショップはそういった人々に、場所を提供しているのだそうだ。最も多いのはアメリカ。現在約100店舗展開されている。
複数の人々がボランティアで運営していることが多いこのインフォショップ。それじゃぁ一体 何屋なのか? といえば、カフェ・(古)本屋・CDショップ・ワークショップ会場・ギャラリー・食堂……と、形態はさまざま。ひとつに限らず、本屋とワー クショップ会場など、複数の機能を持つ場合も多い。トップの写真は、アメリカ・ポートランドのBlack Rose Bookstore。普通の本屋とは違い、たくさんのメッセージ性の強いポスターが貼られ、洋服なども販売しているようすが見受けられる。なかには「別にモノを買わなくても居ていい」店もあるとか……!
インフォショップから発信される情報には、さまざまなものがあり、それは、店自体が持つ個性によって色々変わるが、基本的には、オルタナティブもしくはアナーキーなものだ。そしてそのなかにはもちろん、エコな情報も多く含まれている。
ここはオーストラリア・メルボルンのFriends of the Earth。ここは全世界に広がる環境NGO、FoEのいち拠点としての店のよう。
ここでは、色々なエコグッズの販売のほか、おいしい自然食も食べられる。
インフォショップは、日本にもある。成田圭祐さんは、新宿にインフォショップ「Irregular Rhythm Asylum(イレギュラー・リズム・アサイラム )」を2004年に開店。アナーキーでオルタナティブな情報を、国内海外問わずに広く集め、発信している。今まで紹介した写真も、成田さんが自ら世界のインフォショップを巡り、撮影したものだ。
インフォショップ発の情報は、メインストリームに乗らないクリエイターのものも多い。つまり、そういった人々の才能や活動を支援する役割も、インフォショップの大きな特色のひとつでもある。成田さんは、そんな人々が作ったさまざまな作品をお店に多く置いている。
こちらは、オランダでオーガニック・コットンを使って、さまざまなメッセージをプリントした布製品を作っている「BLACK FALCON」。この布製ポスターは、きめこまやかなフェルトのような、気持ちいい手触り。もちろんオーガニック・コットン使用。
また、このTシャツは成田さん自身が製作に携わったもの。売り上げから制作費を抜いた分は、インドの孤児院兼フリースクールに寄付される。
店内は、まるで男の子の部屋のような気楽な雰囲気。ソファーに寝袋が置いてあるので聞くと「昨日終電を逃した人がここで泊まってたんですよ」と成田さん。写真展やライブ、演劇の公演も行われることがあるという。
店で販売されているものや、出会う人々を通じて、ステキなネットワークを作っていくインフォショップ。そんな楽しい場所が、すでにこの東京にはある。
※この記事は、2007年10月5日に、気流舎で開催されたイベント、「【気流学舎 007】インフォショップのつくりかた」で話された内容から一部作成しました。ありがとうございます!