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フェルミン・ムグルサ+アルカイツ・カノ 作 ドクトル・アルデレテ 絵 吉田浩美 訳/ロケットミュージック/B5/144ページ
かつてバスク語で書かれたそのグラフィック・ノベルに全世界は震撼した。私たちが当たり前のように知っていると思っていた歴史。その決して表面に出てくることのない裏側が独自の解釈で切り取られ、形を変えて世界中の読者の前に現れたからだ。 彼の名は、フェルミン・ムグルサ。レベルミュージックの世界で彼の名前を知らないものはいない。ミュージシャンとして多くの実績を積んできた彼の著書は初版8,000部が即完売するという偉業を達成。これまでにバスク、カスティーリャ、カタルーニャ、メキシコ、コロンビアなど、世界各地で出版された。そして2015年。ついに日本での出版が決定。 フェルミン・ムグルサ、アルカイツ・カノ、ドクトル・アルデレテの3人による共著。翻訳は日本におけるバスク語の第一人者である吉田浩美が担当し、作品の持つ面白さを120%再現!更に日本語版限定特典として、フェルミンがこのノベルのために書き下ろした楽曲『ブラック・イズ・ベルツァ』の音源CDが付属。
《STORY》
1965年、10月。バスク地方イルニャ市のサン・フェルミン祭では張り子の大人形によるパレードが行われるが、これがニュー・ヨークで開催される万博への参加を求められた。しかし、まだ人種差別主義があからさまであった当時の合衆国当局は、黒人仕様の大人形がパレードに参加することを禁止する。
本作はこの歴史的事実をもとに、黒人仕様の大人形を運ぶ役目を担っていたバスク人の青年、マネシュ・ウナヌエを主人公とする。マネシュはこの出来事を端緒に、思いがけない冒険の旅に出ることとなり、その中で60年代を読み解くカギとなるあらゆる出来事を体験する…。チェ・ゲバラとの出会い、マルコムXの暗殺とその後の騒乱、ウォーホルの風変わりな「ファクトリー」、ブラック・パンサー党とキューバの秘密組織との関係、ヒッピー文化の始まり、初の大々的ポップ・フェスティバルのサイケデリックな雰囲気の中マネシュは…。
フェルミン・ムグルサ (Fermin Muguruza)
現代バスク地方を代表するミュージシャン、アーティスト。80年代にはコルタトゥ (Kortatu)、90年代にはネグ・ゴリアック(Negu Gorriak) のメンバーとして活動。その後ソロ活動に入る。 8年ほど前からは映像の分野においても広く活躍している。『Bass-que Culture』、『Checkpoint Rock』、『Canciones desde Palestina』、『スロアック(Zuloak)』、『No more tour』などの映画のほか、アル・ジャジーラTVにアラビア音楽に関する多数のドキュメンタリーを提供している。現在メキシコの映画祭DOCSDFとアルゼンチンの映画祭シネ・ミグランテ・デ・アルヘンティナ(Cine Migrante de Argentina)において音楽ドキュメンタリー部門を担当している。
アルカイツ・カノ (Harkaitz Cano)
バスク地方の分筆家・作家。あらゆる分野にわたってバスク語で文筆活動を行っている。小説『Twist!』、『Beluna jazz』、『Pasaiablues』、『Belarraren ahoa』などで好評を博してい るほか、短編集『Neguko zirkua』、時事評 『Pianogaineangosaltzen』、詩集『Norbait dabil sute-eskaileran』、エッセイ『Txalorik ez, arren』などを世に問うている。
ドクトル・アルデレテ (Dr. Alderete)
世界を股にかけて活躍するイラストレーターにしてグラフィック・デザイナー。アルゼンチンのパタゴニア出身。現在はメキシコ在住。劇画・イラストの著書として 『Yo soy un Don Nadie』(2008)、『Sonorama』(2012)、『Otro Yo』(2012)がある。また、ロック・ミュージックとの関係が深く、数々のレコード・ジャケット、ポスターなどを手がけている。