戦略とスタイル 増補改訂新版

3057

戦略とスタイル 増補改訂新版  (3057)

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津村喬[著] 高祖岩三郎[解説]/航思社/四六判上製/360頁

 

日常=政治=闘争へ!

「1968 年最大のイデオローグ」といわれる著者の代表作を増補改訂のうえ復刊!
反資本主義、反差別、日中・日韓、核/原子力、フェミニズム、生政治、装置的権力、戦争状態、身体所作の戦術、都市的権力/民衆闘争……
〈いま〉のすべてを規定する日本の「68年」、
その思想的到達点が40年の歳月を超え、ふたたび政治の季節に原点として甦る――
「瞬間の前衛」たちの横断結合によって「根底的な世界変革」を行うために。

ぜひとも現在の社会運動(国会前など)の言説と比較検討していただきたい。
「68 年」=学内闘争という解釈は偏見と誤謬であることが本書によって証明される。

 

目次

新版まえがき

第Ⅰ章 近代性とスタイル
第Ⅱ章 差別の構造
第Ⅲ章 言語とテロル
第Ⅳ章 戦争の言説と言説の戦争
第Ⅴ章 一九三〇年代――極東における帝国主義
第Ⅵ章 毛沢東思想をめぐって
第Ⅶ章 核抑止=帝国主義とモードの概念
第Ⅷ章 革命の考古学あるいは共同体論
第Ⅸ章 革命のジャーナリズムあるいは方法としての第三世界
第Ⅹ章 戦略的理性のために

新版補遺 風俗と文化の革命――日本民俗学批判の実践的諸前提
解説 「遥か彼方からの通信」をいま読むために(高祖岩三郎)
前書きなど

 

 68年を境に、左翼でも新左翼でもない、決定的に新しい質の左翼が登場しました。それが全共闘です。
 全共闘については多少混乱していて、2つの全く違った意味がありました。ひとつは、60年代初頭までの全学連と同じスタイルを持った、革マル系、第四インター、ブント、解放派、中国派や構造改革派のほか、のちに中核派も全共闘を名乗ったこともあります。
 しかしそれらとは違って、まったく新しい組織原理を全共闘が意味している場合がありました。まず彼らはノンセクトであり、セクトに従わないことに大きな価値を見いだしていて、「一人で決断する」「一人が参加しても集団は変わる」ことを原理に、状況によってたえず離合集散するけれども、前衛の役割を果たす。
 ですから党派の統一戦線としての全共闘と、諸個人の機能を指している全共闘には明確に区別をつけてほしいのです。それが大量現象となったことに、「68年以後」の新しさがあるということです。本書はこの時代の「全共闘」の存在原理を確立しようとして書かれた本なのです。(…)
 本書は、国家を離脱した人にこそ読んでほしい本です。まだそこまでいかずとも、意識の上で離脱した人々に。そして離脱しても、毎日の起居振る舞いと食生活は当然に続いていて、そのレベルでの「日常生活における管理と脱管理との、支配者のスタイルの模倣と脱出者のスタイルとの闘争」がまさに永続的に続いているのです。

――「新版まえがき」より

 

本書は、日本において「根底的(ラディカル)な世界変革」を目指す闘争が、過去をどのように反省し、未来をどのように可視化するか、という提言である。

――「新版 解説」(高祖岩三郎)より

 

津村喬(つむら・たかし)
評論家、気功家。1948年生まれ。1970年早稲田大学第一文学部中退。在学中より評論活動を開始。NPO法人気功文化研究所代表、NPO法人日本健身気功協会理事長。主な著書に『津村喬 精選評論集――《1968》年以後』(絓秀実編、論創社)、『われらの内なる差別』(三一新書)、『魂にふれる革命』(ライン出版)、『革命への権利』『歴史の奪還』(せりか書房)、『メディアの政治』(晶文社、日本図書センター)、『全共闘:持続と転形』(編著、五月社)、『しなやかな心とからだ』(新泉社)、『食と文化の革命』(社会評論社)、『歌いながらの革命』(JICC出版局)、『神戸難民日誌』(岩波ブックレット)、『LEFT ALONE』(共著、明石書店)、『健身気功入門』(春秋社)ほか多数。

 

高祖岩三郎(こうそ・いわさぶろう)
批評家、翻訳家。Autonomedia編集委員。著書に『死にゆく都市、回帰する巷』(以文社)、『新しいアナキズムの系譜学』(河出書房新社)、『ニューヨーク烈伝』『流体都市を構築せよ!』(ともに青土社)、訳書にJ・ホロウェイ『革命』(共訳、河出書房新社)、D・グレーバー『アナーキスト人類学のための断章』(以文社)など。

 

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