ドゥルーズと革命の思想

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ドゥルーズと革命の思想  (4264)

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鹿野祐嗣(編著) 廣瀬純 堀千晶 山﨑雅広(著) /以文社/四六判/424ページ

 

ジル・ドゥルーズの思想は「革命」と本質的に結びついている。
ドゥルーズ自身の著書『差異と反復』『意味の論理学』から、フェリックス・ガタリとの共著『アンチ・オイディプス』『千のプラトー』、そして晩年における革命的になること(革命的なものへの生成)の留保なき肯定とマルクスへの惜しみなき賛辞にいたるまで、ドゥルーズ/ドゥルーズ&ガタリの思想はその中心概念において、常に革命と緊密に結びついていた。
キューバ革命に呼応する中南米各地の革命的ゲリラの蜂起、アルジェリアやエジプト、ヴェトナムといった植民地独立闘争と一体となった第三世界の革命運動、そして1968年の5月革命など世界的な革命の熱狂のなか、芸術・思想上の革新と現実の社会革命が一体をなして希求されていた時代の息吹が、そこには深く刻まれている。それは革命の可能性を排除する「ポストモダン」や「ポスト構造主義」といった言説とは相入れない。革命を肯定できない者はドゥルージアンではない、と言っても過言ではない。
本書はドゥルーズの思想が誕生する土壌となった時代背景や思想的文脈の探求、現実の革命運動との個別的かつ歴史的な接点の調査といった、精緻なドゥルーズ研究の一端をなす4つの論文集である。
ドゥルーズと政治、ドゥルーズと革命をめぐる探究、その果てしない採掘作業は、今始まったばかりだ。本書はその「期待すべき変革の兆しを告げる、静かな胎動の音」である。

 

目次

鹿野祐嗣「フランスにおけるニーチェ受容史の中のドゥルーズ―― 哲学史家と哲学者という二つの顔の間で」

山﨑雅広「《永劫回帰》の体験と体現―― ニーチェからドゥルーズへ、あるいはニーチェからクロソウスキーへ――」

廣瀬 純「「同性愛者こそが最も革命的であり得る」―― ドゥルーズ=ガタリ/FLH/ペルロンゲル」

堀 千晶「ドゥルーズ/マルクス―― 一九四六―一九七二年」

 

鹿野 祐嗣 (シカノ ユウジ) (著/文 | 編集)
1988年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程指導修了退学(博士)。現在、神戸大学大学院国際文化学研究科助教。著書に、『『意味の論理学』の注釈と研究――出来事、運命愛、そして永久革命――』(岩波書店、2020年)がある。

廣瀬 純 (ヒロセ ジュン) (著/文)
龍谷大学経営学部教授。ドゥルーズ関連著書に『シネキャピタル』(洛北出版、2009年)、『三つの革命』(佐藤嘉幸との共著、講談社、2017年)、Le Ciné-capital: d’Hitchcock à Ozu (Hermann, 2018)、Cómo imponer un límite absoluto al capitalismo (Tinta Limón, 2021)など。

堀千晶 (ホリ チアキ) (著/文)
早稲田大学ほか非常勤講師。著書に『ドゥルーズ キーワード89』(共著、せりか書房、増補新版2015年)、訳書にジル・ドゥルーズ『ザッヘル゠マゾッホ紹介――冷淡なものと残酷なもの』(河出文庫、2018年)、ギヨーム・シベルタン゠ブラン『ドゥルーズ゠ガタリにおける政治と国家――国家・戦争・資本主義』(共訳、書肆心水、2018年)、ロベール・パンジェ『パッサカリア』(水声社、2021年)などがある。

山﨑雅広 (ヤマザキ マサヒロ) (著/文)
1991年秋田県生まれ。京都大学文学部フランス語学フランス文学科卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科修了後、現在、同大学院同研究科博士課程。論文に、「クロソウスキーのニーチェ解釈の諸特性について――ニーチェ病跡学への寄与――」(『日本病跡学雑誌』第95号、2018年)など。本書が初の著作となる。

 

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