「サークルの時代」を読む―戦後文化運動研究への招待

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「サークルの時代」を読む―戦後文化運動研究への招待  (3311)

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影書房/A5判/368ページ

 

東アジアで朝鮮戦争はじめ、再び”熱い戦争”が起きていた時代、 反戦・平和、抵抗と民主主義を模索する人びとの拠点として「サークル文化運動」が興った。筑豊、東京南部・京浜、四日市の労働者、広島・長崎の被爆地、結核療養所、都心部の職場で。そこに、上野英信、谷川雁、木下順二、鶴見和子といった文学者や桂川寛といった画家、または政党の文化部などもかかわった。詩・小説・ルポルタージュ・版画・幻灯などの創作を通じ、人びとは集い、話し合い、民主主義を実践していった。
本書は、敗戦後1940年代後半から冷戦期の前、1950年代前後のサークル文化運動に関する論文・9本、コラム11本、シンポジウム「サークル誌をどう読むか」の記録を収録。戦後民主主義の黎明期、新しい時代を模索した人びとの姿を浮かび上がらせる。

 

目次

第1章 一九四〇年代後半のサークル運動……宇野田尚哉
―職場サークルを中心に
コラム1 日本美術会と職場美術……徐潤雅

第2章 東アジアの「熱戦」とサークル運動……黒川伊織
―朝鮮戦争下の抵抗の経験
コラム2 サークル誌生産の物質的基礎としてのガリ版……道場親信

第3章 在日朝鮮人のサークル運動……宇野田尚哉
―大阪朝鮮詩人集団『ヂンダレ』を中心に
コラム3 内部者たちの言葉……田代ゆき

第4章 東京南部のサークル文化運動……道場親信
―地域サークルと運動のネットワーク
コラム4 京浜のサークル運動……根津壮史

第5章 被爆地広島のサークル詩誌の軌跡……川口隆行
―『われらの詩』から『われらのうた』へ
コラム5 長崎における原爆体験とサークル運動……楠田剛士

第6章 サークル誌ネットワークの可能性……鳥羽耕史
―『人民文学』と『新日本文学』から見る戦後ガリ版文化
コラム6 国民文化会議とサークルネットワークの全国化……水溜真由美

第7章 「サークル村」に関する私的回想と研究の現状……坂口 博
コラム7 上野英信とサークルネットワーク……茶園梨加
コラム8 療養所の詩サークルと工作者たち――大谷浩之と谷川雁……米谷匡史

第8章 サークル運動の中の生活記録……中谷いずみ
コラム9 生存権、コミューン、そして詩――一九五〇年代の療養所サークル
……有薗真代

第9章 版画運動とサークル―北関東版画運動を中心に……友常 勉
コラム10 幻灯と戦後サークル文化運動……鷲谷 花
コラム11 「戦後文化運動合同研究会」について……道場親信

第10章 シンポジウム サークル誌をどう読むか
参加者:道場親信(司会)、佐藤泉(発題者)、坪井秀人(発題者)、池上善彦、中谷いずみ、
鳥羽耕史、宇野田尚哉、坂口博、川口隆行、黒川伊織、竹内栄美子、水溜真由美、申知瑛

引用・参考文献一覧
戦後サークル文化運動略年表

 

著者プロフィール

宇野田尚哉 (ウノダショウヤ) (著/文 | 編集)
1967年鳥取県生まれ。大阪大学教員。復刻版『ヂンダレ』『カリオン』(不二出版)解説、復刻版『山河』(三人社)解説。

川口隆行 (カワグチタカユキ) (著/文 | 編集)
1971年福岡県生まれ。広島大学教員。『原爆文学という問題領域』(創言社)、共編『戦争を〈読む〉』(ひつじ書房)。

坂口 博 (サカグチヒロシ) (著/文 | 編集)
1953年佐賀県生まれ。火野葦平資料館館長。『校書掃塵―坂口博の仕事Ⅰ』(花書院)、『滝沢克己著作年譜』(編著、創言社)。

鳥羽耕史 (トバコウジ) (著/文 | 編集)
1968年東京都生まれ。早稲田大学教員。『運動体・安部公房』(一葉社)、『1950年代 「記録」の時代』(河出書房新社)。

中谷いずみ (ナカヤイズミ) (著/文 | 編集)
1972年北海道生まれ。奈良教育大学教員。著書:『その「民衆」とは誰なのか』(青弓社)、「専有された〈戦争〉の記憶」『日本近代文学』93集(日本近代文学会)。

道場親信 (ミチバチカノブ) (著/文 | 編集)
1967年愛知県生まれ。和光大学教員。『占領と平和――〈戦後〉という経験』(青土社)、『下丸子文化集団とその時代――1950年代サークル文化運動の光芒』(みすず書房)。

 

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