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笠原美智子著/里山社/四六判/416ページ
「フェミニズムとは究極的には「愛」なのではないか。それぞれの多様さ、曖昧さを引き受けながら、いかに理解し合えるか」
女性やLGBT の写真家、現代美術作家たちはどのように社会と対峙し、表現したかを探るテキスト、決定版。
目次
【世界篇】 民族とセクシュアリティ
●セルフ・ポートレイトで規制の女性イメージを解体する
イモジェン・カニンハム/シンディ・シャーマン/リディア・スハウテン/ビー・ネトルス/ジュディ・データー/ジュディス・ゴールデン/カタリーナ・シーバディング/スーザン・ヒラー/パティ・レヴィ/ヘレン・チャドウィック/バーバラ・デジェネヴェーヴ/スーザン・カエ・グラント/リサ・カネモト/ソニア・ランディ・シェリダン/リタ・ドーウィット/ナン・ゴールディン/アン・ノグル
●ダイアン・アーバス小論
●病と老いを克服する写真
ジョー・スペンス/ハンナ・ウィルケ
●“ヌード写真”から身体を解放せよ
E・J・ベロック/神蔵美子/岡田裕子/アルフレッド・スティーグリッツ/古屋誠一/ロバート・メイプルソープ/キャサリン・オピー/イトー・ターリ/ジーン・フレイザー/リン・ビアンキ/小川隆之/メアリー・ダフィ/ジーン・ダニング/大塚勉
●エイズをめぐる表象
ウィリアム・ヤン/AAブロンソン/ロバート・メイプルソープ/ピーター・フジャー/デヴィッド・ヴォイナロヴィッチ/エルヴェ・ギベール/フェリックス・ゴンザレス=トレス
●人種、階級とジェンダー
キャリー・メイ・ウィームス/ローナ・シンプソン/ミトラ・タブリジアン/嶋田美子/マスミ・ハヤシ/劉虹/マリ・マール/トリン・T・ミンハ
●アナ・メンディエタが示した多文化アメリカの可能性
●インドの変化し続ける写真家、ダヤニータ・シン
【日本篇】 戦後と高度経済成長とジェンダー
●石内都に見る戦後日本の「記憶」
●日本現代美術における女による女のセクシュアリティ再考
溝口彰子/イケムラレイコ/綿引展子/岡田裕子/出光真子/嶋田美子/澤田知子/イチハラヒロコ/オノデラユキ/鴻池朋子
●やなぎみわ作品にみる現代日本女性の意識
●わたしたちの身体はまだ“戦場”のままか
横溝静/塩崎由美子/澤田知子/朝海陽子/高橋ジュンコ/横溝静/志賀理江子
●森栄喜の拡大家族
●「失われた20 年」と女性写真家の表現
森栄喜/大野千野/田口和奈/菊地智子/蔵真墨/笹岡啓子/
●囚われの荒木
荒木経惟
笠原美智子
1957 年長野県生まれ。83 年明治学院大学社会学部社会学科卒業。87 年シカゴ・コロンビア大学大学院修士課程修了(写真専攻)。東京都写真美術館、東京都現代美術館にて学芸員を務め、日本で初めてのフェミニズムの視点からの企画展「私という未知へ向かって 現代女性セルフ・ポートレイト」展(91 年)を皮切りに、ジェンダーの視点からの企画展示を多数企画。著書に『ヌードのポリティクス 女性写真家の仕事』(筑摩書房、98 年)、『写真、時代に抗するもの』(青弓社、02 年)他。