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李珍景 著 今政肇 訳/インパクト出版会/四六判並製/376ページ
資本主義の「外部」を構成する
コミューン主義者たちは無謀な者たちである。コミューン主義(commune-ism)は共産主義(communism)の、その失敗から産まれてきた。民主化・世界化以降も一貫して生が切り刻まれてきた韓国で、共に生きる知の生産を実践する思想家の横断的存在論。
目次
プロローグ–再び到来する失敗を待ちながら
Ⅰ部 存在論とコミューン主義
第一章 コミューン主義的存在論と存在論的コミューン主義
共同体の不可能性?
個体の自然学、あるいはコミューン的個体
存在論的共同性
コミューン主義と時間
コミューン主義の空間性
存在論的コミューン主義?
第二章 コミューン主義における共同性と特異性
潜在的共同体と現勢的共同体
個体化と共同性
共同体と特異性
共同性と「共同体」
不可能なるコミューン主義
Ⅱ部 生命と生産の抽象機械
第三章 マルクス主義における生産の概念–生産の一般理論のために
生産力と生産性
生産の経済学、生産の自然学
生命の生産
生産力、あるいは生産能力
生産力と生産関係
生産能力の解放、あるいは革命
第四章 生命の抽象機械と具体性のコミューン主義
生命の一般性と抽象機械
ふたつの抽象化
マルクス主義における抽象の概念
歴史以前の生産
生命の抽象機械
生産の抽象機械–その諸変形について
抽象から具体へ
Ⅲ部 生産の社会学、生命の政治学
第五章 歴史のなかのコミューン主義–歴史の外部としてのコミューン主義
共産主義とコミューン主義
共同体の「経済」と資本
資本主義とコミューン主義
社会主義とコミューン主義
新自由主義とコミューン主義
第六章 現代資本主義と〈生命-政治学〉
資本主義と生命の問題
生命、循環系としての〈衆-生〉
生命と資本
生命工学と生命の搾取
グローバル資本主義と生命の植民地主義
人権から生命権へ
Ⅳ部 〈コミューン-機械〉をどのように構成するのか
第七章 存在論的平等性とコミューン主義–〈コミューン-機械〉の稼働に関する諸原則について
コミューン主義と「連帯の快感」
コミューン主義と友情の政治学
コミューン主義と贈り物
コミューンにおける民主主義
能力の民主主義と民主主義の能力
人間と物のコミューン主義
存在論的平等性とコミューン主義
第八章 コミューンの構成における〈空間-機械〉の問題
共同体と空間
空間と共同性
空間の〈共-間〉化
コミューンのアトラクターたち
始めることの難点
コミューンの「経済学」
空間とノマディズム
空間の分割と連結
コミューンの成長と権力の問題
エピローグ–無謀なるものたちの共同体
訳者あとがき