記号と機械 反資本主義新論

3037

記号と機械 反資本主義新論  (3037)

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マウリツィオ・ラッツァラート[著] 杉村昌昭 松田正貴[訳]/共和国/菊変型判 並製/368頁

 

たとえば2011 年の原発事故や安保法反対デモのメディア報道。たとえばヘイトスピーチ。なぜひとはその「ことば」がおかしいとわかっていながら、「主観性の生産」に服従してしまうのか? あるいは住宅ローンや奨学金をはじめとする「負債」、あるいは日常生活はむろん自然までも支配し管理するネットやGPS によるコントロール社会に、なぜひとはこうまで隷従してしまうのか? そして、では、新自由主義下を生きる人間が、こうした隷属状態と訣別し、「平等」を実現するにはどうすればいいのか?
前著『〈借金人間〉製造工場』によって日本でも話題になった社会学者/思想家が、ガタリ、ドゥルーズ、フーコー、バフチンらを援用しながら試みた、《反─ 資本主義》の哲学的実践!

 

目次

日本語版序文

序章 ロゴスか機械か

第1章 生産と主観性の生産 社会的服従と機械状隷属とのあいだ

第2章 主観性の生産といわゆる生産におけるシニフィアンの記号学と非シニフィアンの記号論

第3章 複合的記号論

第4章 対立と記号体系

第5章 「社会のクズ」発言と行為遂行的なものにたいする批判

第6章 主観性の生産における言説的なものと実在的なもの

第7章 言表行為と政治学 民主主義をパラレルに読む——フーコーとランシエール

原注

シニフィアンの専制とつっかえつっかえ話す権利 解説にかえて(松田正貴)

訳者あとがき(杉村昌昭)

 

著者プロフィール

マウリツィオ・ラッツァラート
1955 年、イタリア生まれ。社会学者、哲学者。現在は、パリで非物質的労働、労働者の分裂、社会運動などについての研究を行ないながら、非常勤芸能従事者(アンテルミッタン)やプレカリアートなどの活動にも積極的に参加している。
邦訳に『〈借金人間〉製造工場』(杉村昌昭訳、2012 年、作品社)、『出来事のポリティクス』(村澤真保呂+倉智徳訳、2008 年、洛北出版)などがある

杉村 昌昭(スギムラ マサアキ)
1945年生まれ。龍谷大学名誉教授。フランス文学・現代思想専攻。1980年代以降、とくにF・ガタリやA・ネグリなどの現代思想家の著作の翻訳、ならびにオルター・グローバリゼーション関係の理論や運動の紹介に取り組む。
おもな著書に、『分裂共生論』(2005年、人文書院)、訳書に、F・ガタリ『エコゾフィーとは何か』(2015年)、『人はなぜ記号に従属するのか?』(2014年、以上青土社)、E・アザン『パリ大全』(2013年、以文社)など多数がある。

松田 正貴(マツダ マサタカ)
1974年、大阪府に生まれる。大阪電気通信大学講師。現代文学専攻。
おもな訳書に、アーサー・J・バックラック『ニューメキシコのD・H・ロレンス』(2014年、彩流社)、ジューン・ローズ『性の革命』(2005年、関西大学出版局)などがある。

 

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