遊廓のストライキ 女性たちの二十世紀・序説(新装版)

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遊廓のストライキ 女性たちの二十世紀・序説(新装版)  (3035)

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山家悠平[著]/共和国/菊変型判 がんだれ製本/276頁

 

逃げる! 戻らない!――それが「活用」されることを拒んだ彼女たちの選択だった。

関東大震災からの復興を経て、モダニズムの時代として評価されることが多い、1920〜30年代。この時期に隆盛をきわめた労働争議と呼応するように、公娼制度下で「籠の鳥」と呼ばれた遊廓の女性たちが、自分の生と性を男社会から奪還するべく、立ち上がった——。青森、大阪、広島、佐賀、福岡など各地の史料をつぶさに読み込み、無名の女性たちの実像に肉薄する。近現代女性史の空白を埋める貴重な成果。

 

目次

はじめに
語られなかった歴史を語るということ

第1章芸妓・娼妓を取り巻く環境
遊廓の「近代」の始まり/廃娼運動の誕生/廃娼運動への批判的視座

第2章遊廓のなかの女性たち
閉ざされた門のなかで/識字率の上昇と情報の流入/遊廓を離れてから

第3章一九二六年の大転換
遊廓の改善という世論の高揚/新聞にあらわれる「娼妓」たち

第4章実力行使としての逃走
逃走の時代の幕開け/広島、弘前、ふたつの直接行動/逃走の時代のあとに

第5章逃走からストライキへ
凋落する遊廓/大阪、松島遊廓金宝来のストライキ/佐賀、武雄遊廓改盛楼のストライキ/遊廓のなかの女性たちが「求めたこと」

おわりに
「解放」と「労働」の境界で

註/参考文献/あとがき

装釘=宗利淳一

 

著者プロフィール

山家 悠平(ヤンベ ユウヘイ)
一九七六年、兵庫県に生まれる。現在は、大手前大学学習支援センターに勤務。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。専攻は、日本近代女性史。共著書に『労働のジェンダー化』(平凡社、二〇〇五)、翻訳に、レベッカ・ジェニソン「呉夏枝と琴仙姫の作品における『ポストメモリー』」(『残照の音――「アジア・政治・アート」の未来へ』所収、岩波書店、二〇〇九)がある。

 

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